長年連れ添った愛車を手放すとき、「何か思い出の品を手元に残したい…」と感じるのは自然な気持ちですよね。毎日見ていたナンバープレートを、形見として保管したいと考える方も多いのではないでしょうか。
実はその願い、叶えることができます。以前は廃車にするとナンバープレートは返却しなければなりませんでしたが、現在は手続きを踏めば記念に所有できるようになりました。
この制度は、2017年4月にラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレートの交付が始まった際に、「大会が終わっても手元に置いておきたい」という声に応える形でスタートしたものです。今では、通常のナンバープレートにも適用されています。
ただし、誰でも無条件にもらえるわけではありません。不正利用を防ぐために「破壊措置」という一手間が必要になります。この記事では、愛車のナンバープレートを正式な手続きで手に入れるための具体的な方法や費用、注意点を分かりやすく解説していきます。
ナンバープレートを記念にもらうための2つの方法
ナンバープレートを記念品として受け取る方法は、大きく分けて「自分で手続きする」か「業者に依頼する」かの2パターンです。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身に合った方法を選びましょう。
自分で運輸支局へ行って手続きする
最も確実で、愛車との別れを自分自身で締めくくれるのがこの方法です。手続き自体はそれほど難しくありません。平日に運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)へ出向く時間さえ確保できれば、ご自身でナンバープレートを受け取れます。
思い出の詰まったナンバープレートをご自身の手に取り、係員に穴を開けてもらう瞬間は、感慨深いものがあるでしょう。手続きの具体的な流れは、後ほど詳しく解説します。
廃車買取業者に代行を依頼する
「平日に休みが取れない」「手続きは面倒だから任せたい」という方は、廃車買取業者に代行を依頼する方法もあります。多くの業者が廃車手続きの一環として、ナンバープレートの記念所蔵手続きにも対応してくれます。
ただし、業者によっては対応不可の場合や、代行手数料がかかることもあります。何より大切なのは、廃車を依頼する最初の段階で「ナンバープレートを記念に欲しい」と明確に伝えることです。解体が進んでからでは手遅れになる可能性が高いため、必ず契約前に相談しましょう。
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自分で手続き | ・費用を抑えられる ・愛車との最後の思い出作りになる ・確実性が高い | ・平日に運輸支局へ行く必要がある ・慣れない手続きに手間取る可能性がある |
業者に依頼 | ・手間がかからない ・平日に休む必要がない | ・代行手数料がかかる ・業者によっては対応していない ・事前に伝え忘れると入手不可になる |
【完全ガイド】ナンバープレート記念所蔵の手続き方法
ここからは、ご自身で手続きを行う場合の流れを4つのステップで詳しく解説します。普通自動車と軽自動車で手続きの場所や書類名が少し異なるため、注意してください。
STEP1:必要書類を準備する
まずは、手続きに必要な書類を揃えましょう。車検証を見ながら準備するとスムーズです。
普通自動車 | 軽自動車 | |
---|---|---|
手続き場所 | 管轄の運輸支局 | 管轄の軽自動車検査協会 |
必要なもの | ・自動車検査証(車検証) ・所有者の印鑑(認印でOK) ・ナンバープレート ・手数料納付書 ・第3号様式の3(抹消登録申請書) ・記念所蔵希望ナンバープレートの打刻(破壊)申請書 | ・自動車検査証(車検証) ・所有者の印鑑(認印でOK) ・ナンバープレート ・軽第4号様式の3(検査証返納届出書) ・記念所蔵希望ナンバープレートの打刻(破壊)申請書 |
申請書類は、当日に運輸支局や軽自動車検査協会の窓口で入手できます。事前に国土交通省のウェブサイトなどからダウンロードして記入しておくと、当日の手続きがよりスムーズに進みます。
参考(普通自動車):OCR申請書各種様式について|国土交通省
参考(軽自動車):各種申請書の一覧と記入例|軽自動車検査協会
STEP2:ナンバープレートを取り外す
運輸支局へ行く前に、ご自身でナンバープレートを取り外す必要があります。ドライバー1本あれば、意外と簡単に取り外せます。
後面プレートの左側には「封印」と呼ばれるアルミ製のキャップが付いています。これは、登録された車両に正しく取り付けられている証です。マイナスドライバーなどでこじ開けるようにして取り外しましょう。一度外すと再利用はできません。
STEP3:運輸支局・軽自動車検査協会で手続きする
書類とナンバープレートが準備できたら、管轄の運輸支局、または軽自動車検査協会へ向かいます。窓口で「廃車手続きと、ナンバープレートの記念所蔵をしたい」と伝えてください。
窓口の案内に従い、準備した書類を提出し、ナンバープレートを返却します。手続きが完了すると、いよいよ最後のステップです。
STEP4:破壊措置(穴あけ)と受け取り
すべての手続きが完了すると、返却したナンバープレートが戻ってきます。その際、職員の方が不正利用防止のための「破壊措置」として、専用の機械でプレートに直径40mm以上の穴を開けます。
この穴が開けられることで、ナンバープレートは公的な効力を失い、あなただけの「記念品」となります。少し寂しい気もしますが、これが愛車との思い出を安全に手元に残すための大切な証です。穴が開けられたプレートを受け取ったら、すべて完了です。お疲れ様でした。
参考:OCRシート等申請様式|国土交通省
解説動画もあるようなので、参考にしてみてください。
ナンバープレート記念所蔵の気になるQ&A
最後に、ナンバープレートの記念所蔵に関してよくある質問とその答えをまとめました。
- Q費用はどのくらいかかる?
- A
ナンバープレートの記念所蔵手続きには、運輸支局(または軽自動車検査協会)で300円~500円程度の手数料がかかります。これは、プレートに穴を開ける作業などの実費です。
以前は無料という情報もありましたが、現在は多くの地域で有料となっています。正確な金額は、手続きを行う管轄の窓口で事前に確認することをおすすめします。また、廃車買取業者に手続きを代行してもらう場合は、これとは別に数千円程度の代行手数料を請求されるのが一般的です。
- Qどんなナンバープレートでももらえるの?
- A
基本的に、自家用・事業用を問わず、どんなナンバープレートでも記念所蔵が可能です。ペイント式だけでなく、字光式(文字が光るタイプ)や、オリンピック・パラリンピック、ご当地デザインの特別仕様ナンバープレートも対象となります。
ただし、著しい汚損や破損がある場合は、返却を求められる可能性もあるため注意しましょう。
- Qもらったナンバープレートはどうやって飾る?
- A
受け取ったナンバープレートは、もちろん公道で使えませんが、個人の敷地内で飾るのは自由です。専用のフレームに入れてガレージやお部屋のインテリアにしたり、DIYの素材として活用したりする方もいます。
愛車との思い出が詰まった世界に一つだけのプレートです。どう飾るか考える時間も、きっと楽しいものになるでしょう。
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まとめ:愛車との思い出を、ナンバープレートと共に
今回は、廃車にする車のナンバープレートを記念に手元へ残す方法について解説しました。
- ナンバープレートは簡単な手続きで記念にもらえる
- 不正利用防止のため、直径40mm以上の穴を開ける「破壊措置」が必要
- 自分で手続きする場合、300円~500円程度の手数料がかかる
- 業者に依頼する場合は、必ず事前に相談することが重要
手続きは少し手間に感じるかもしれませんが、長年を共にした愛車の証を手元に残せるのは、非常に価値のあることです。この記事を参考に、ぜひ愛車との最後の思い出作りをしてみてはいかがでしょうか。
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