「家に眠っているApple Watch Series 2、まだ使えるのかな?」
「中古で安く売られているけど、今から買っても大丈夫?」
発売から年月が経ち、現在では中古市場でしか手に入らないApple Watch Series 2について、そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
結論からお伝えすると、通知の確認やApple Payでの決済など、限定的な使い方であれば今でも十分に役立ちます。
しかし、最新モデルと比べると多くの機能が制限されており、快適に使うにはいくつかの注意点があるのも事実です。
この記事では、Apple Watch Series 2が「まだ使える」理由と、購入や使用を続ける前に知っておくべき「できないこと」や注意点を、2025年現在の視点から徹底的に解説します。
あなたのApple Watchライフの参考に、ぜひ最後までお付き合いください。
【結論】Apple Watch Series 2は「条件付き」でまだ使える
Apple Watch Series 2が今でも使えるかどうか、核心からお伝えします。答えは「イエス」ですが、それにはいくつかの条件が付きます。
最大のポイントは、OSのアップデートが「watchOS 6」で終了している点です。
現在の最新OSはwatchOS 11(2024年秋リリース)ですから、5世代も前のOSということになります。これにより、最新の機能が使えないだけでなく、新しいアプリのインストールができなかったり、セキュリティ面での不安が残ったりします。
また、内蔵されているプロセッサも古いため、アプリの起動や画面の切り替えで「もっさり」とした動作になることは避けられません。
それでも、「スマートウォッチの基本的な機能さえ使えればOK」と割り切れるのであれば、Series 2はまだあなたの腕で活躍してくれる可能性があります。特に、iPhoneを取り出さずに通知を確認したり、手首をかざすだけでキャッシュレス決済をしたりといった用途では、今でも十分な価値を提供してくれるでしょう。
【2025年最新】Apple Watch Series 2で「できないこと」
まず、現実的な判断材料として、現在のApple Watchでは当たり前にできてもSeries 2では「できないこと」を具体的に見ていきましょう。期待して購入した後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、しっかりチェックしてくださいね。
最新OSへのアップデートと新機能の利用
前述の通り、Apple Watch Series 2が対応するOSはwatchOS 6が最終です。そのため、watchOS 7以降で追加された魅力的な機能は一切利用できません。
- 文字盤の共有やカスタマイズ: 友人が作ったおしゃれな文字盤をダウンロードしたり、複数のコンプリケーションを配置したりできません。
- 睡眠記録の詳細分析: 睡眠ステージ(レム、コア、深い睡眠)の記録には対応していません。
- 手洗い検出機能: 衛生意識が高まる中で便利な、自動で手洗いを検出し時間を計測する機能も使えません。
- その他: 心穏やかになる「リフレクト」機能や、最新のワークアウトモードなども非対応です。
OSのアップデートが止まっているということは、将来的に発生するかもしれない重大なセキュリティ上の欠陥が修正されない可能性も意味します。
高度なヘルスケア機能(心電図・血中酸素など)
健康管理機能を重視してApple Watchを選ぶ方が増えていますが、Series 2が搭載しているのは基本的な心拍数センサーのみです。
最新モデルに搭載されている以下のような高度なヘルスケア機能は利用できません。
- 心電図(ECG)アプリ: Series 4以降で搭載。心房細動の兆候を検知できる機能です。
- 血中酸素ウェルネスアプリ: Series 6以降で搭載。体内に取り込まれた酸素のレベルを測定します。
- 皮膚温センサー: Series 8やUltra以降で搭載。女性の月経周期の予測などに活用されます。
- 転倒検出・衝突事故検出: 万が一の際に自動で緊急通報してくれる安心機能も、Series 2にはありません。
日々の健康状態をより詳しく把握したい、もしもの時のお守りにしたい、という目的であれば、Series 2は力不足と言わざるを得ないでしょう。
一部のアプリ非対応と機能制限
watchOSが古いため、最新のアプリがインストールできない、または一部機能が使えないケースが増えています。
例えば、多くの人が利用する「LINE」アプリ。通知を見ることはできますが、ウォッチからスタンプを送ったり、定型文以外のメッセージを返信したりといった機能は、最新OSでないと正常に動作しない可能性があります。
他にも、サードパーティ製の便利なアプリをApp Storeで見つけても、「お使いのApple Watchには対応していません」と表示されてしまうことが多くなるでしょう。使いたいアプリが明確にある場合は、そのアプリがwatchOS 6に対応しているかを事前に確認する必要があります。
まだ現役!Apple Watch Series 2で「できること」
できないことを先に挙げましたが、がっかりするのはまだ早いです。ここでは、Series 2でも十分にこなせる便利な機能を紹介します。これらの機能があなたの目的に合致するなら、Series 2は最高のパートナーになるかもしれません。
時間の確認と通知の受け取り
これはスマートウォッチの最も基本的かつ重要な機能です。iPhoneをカバンやポケットに入れたままでも、手元でサッと時間を確認できます。
そして、その価値を最も発揮するのが「通知機能」です。
- 電話の着信: 会議中など、すぐに電話に出られない場面でも誰からの着信かを手元で確認し、ウォッチ側で消音操作ができます。
- LINEやメールの通知: 大事な連絡を見逃しません。簡単な内容ならiPhoneを取り出さずに確認できるので、非常にスムーズです。
- カレンダーの予定: 次の会議や約束の時間をリマインドしてくれます。
頻繁にスマホをチェックする手間が省けるだけでも、生活の質がぐっと向上します。この通知機能だけでも、Series 2を使い続ける価値は十分にあると言えるでしょう。
Apple Pay(Suica・QUICPay)での決済
Apple Watch Series 2の大きな強み、それは日本国内で販売されたモデルに限り、FeliCaチップを搭載していることです。これにより、Apple Payを使ったキャッシュレス決済が可能です。
- Suica: 改札の通過やコンビニでの支払いが、手首をかざすだけで完了します。iPhoneやカードを取り出す必要がなく、一度体験すると元には戻れないほど快適です。
- QUICPay / iD: 対応店舗での支払いがスピーディに行えます。
【重要】海外で販売されたSeries 2にはFeliCaが搭載されておらず、これらの決済機能は利用できません。中古で購入する際は、必ず日本国内モデルであることを確認してください。
OSのバージョンは古くても、この決済機能は問題なく利用できます。日々の通勤や買い物でキャッシュレス決済を多用する方にとって、Series 2は今でも非常に実用的なデバイスです。
基本的なアクティビティ記録
最新モデルのような高度な機能はありませんが、日々の健康意識を高めるための基本的なアクティビティ記録はしっかりとこなしてくれます。
- アクティビティリング: 「ムーブ」「エクササイズ」「スタンド」の3つのリングで1日の活動量を可視化。リングを完成させるのが楽しくなり、自然と体を動かす習慣が身につきます。
- ワークアウト: ウォーキングやランニングなどの運動を記録し、時間、距離、消費カロリーなどを測定します。Series 2はGPSを内蔵しているため、iPhoneを持たずにランニングに出かけても、ルートやペースを正確に記録できます。
日々の運動不足解消や、ウォーキングのモチベーション維持といった目的であれば、Series 2の機能で十分満足できるはずです。
【比較表】Apple Watch Series 2と最新モデルの違い
ここまで解説した内容を、最新モデルであるApple Watch Series 10(仮称)、そしてコストパフォーマンスに優れたApple Watch SE(第2世代)と比較表にまとめました。Series 2の立ち位置が客観的に分かります。
機能 | Apple Watch Series 2 | Apple Watch SE (第2世代) | Apple Watch Series 10 (仮称) |
---|---|---|---|
最終対応OS | watchOS 6 | 最新OSに対応 | 最新OSに対応 |
プロセッサ | S2 | S8 SiP | S10 SiP (仮称) |
ディスプレイ | 感圧タッチ対応OLED | Retinaディスプレイ | 常時表示Retinaディスプレイ |
Apple Pay (FeliCa) | ○ (日本モデルのみ) | ○ (全モデル) | ○ (全モデル) |
GPS | ○ | ○ | ○ |
心拍数測定 | ○ | ○ | ○ |
心電図 | × | × | ○ |
血中酸素 | × | × | ○ |
皮膚温測定 | × | × | ○ |
転倒・衝突事故検出 | × | ○ | ○ |
修理サポート | 終了 | 提供中 | 提供中 |
こうして比較すると、プロセッサの性能やヘルスケア機能において、世代間の差は歴然です。一方で、Apple Payという核となる機能は共通して使える点も分かります。どの機能を重視するかで、選ぶべきモデルは変わってきそうですね。
Apple Watch Series 2を使い続ける際の注意点
もし、あなたがApple Watch Series 2をこれからも使っていこう、あるいは中古で購入しようと考えているなら、必ず知っておくべき注意点が3つあります。
バッテリーの致命的な劣化
Series 2は発売から8年以上が経過(2016年9月発売)しており、内蔵されているリチウムイオンバッテリーはほぼ確実に劣化しています。
新品の状態でもバッテリーの持ちは最大18時間とされていましたが、現在では朝フル充電しても夕方まで持たないというケースも珍しくありません。使い方によっては半日も持たない可能性があり、スマートウォッチとして1日中腕につけておくという基本的な使い方が困難になっている個体が多いでしょう。
Appleによる公式のバッテリー交換サービスはすでに終了しています。非正規の修理店で交換する選択肢もありますが、費用がかかる上に、耐水性能が失われるなどのリスクも伴います。
我慢が必要な「動作の遅さ」
最新のApple Watchのサクサクとした操作感に慣れていると、Series 2の動作はかなり「もっさり」と感じられます。
- アプリを起動するのに数秒待たされる
- 画面をスワイプしても反応がワンテンポ遅れる
- 文字盤を切り替えるのに時間がかかる
時間を確認する、通知を見る、決済するといった単一の操作ならまだしも、複数のアプリを切り替えながら使うような場面では、ストレスを感じる可能性が高いです。この「待つ時間」を許容できるかどうかが、使い続けられるかの一つの分かれ目になります。
故障=寿命となる修理サポートの終了
Appleは、販売中止から7年以上の製品を「オブソリート製品」と定めています。Apple Watch Series 2はすでにこのリストに入っており、Apple Storeや正規サービスプロバイダでのハードウェア修理は原則として受けられません。
つまり、画面が割れたり、竜頭(デジタルクラウン)が効かなくなったり、何らかの不具合が発生した場合、公式な修理手段はないということです。故障してしまえば、それはもう寿命と考えるしかありません。中古で購入する場合は、こうしたリスクを十分に理解しておく必要があります。
参考:ビンテージ製品とオブソリート製品 – Apple サポート
結論:Apple Watch Series 2はどんな人におすすめ?
さて、これまでの情報を総合して、Apple Watch Series 2がどんな人におすすめで、どんな人にはおすすめできないかをまとめます。
【こんな人におすすめ】
- 用途を通知確認とApple Payに割り切れる人(※日本モデル限定): 最も価値を発揮できる使い方です。この2つの機能のためなら、まだ十分に「買い」の選択肢になります。
- とにかく安くApple Watchを試してみたい人: 数千円程度で手に入るため、「スマートウォッチってどんな感じ?」というお試し用には最適です。
- 子供に持たせる初めてのスマートウォッチとして: 紛失や故障のリスクを考えると、高価な最新モデルよりも選択しやすいでしょう。
【こんな人にはおすすめできない】
- 快適な動作やサクサク感を求める人: 動作の遅さは避けられないため、ストレスを感じる可能性が高いです。
- 最新のヘルスケア機能を使いたい人: 心電図や血中酸素測定などを目的とするなら、Series 4以降(できればSE第2世代やSeries 8以降)を検討すべきです。
- メインのスマートウォッチとして長く使いたい人: バッテリーの寿命や故障リスクを考えると、長期的な利用は難しいと言えます。
もし、もう少し予算を出せるのであれば、中古のApple Watch SE(第1世代または第2世代)を検討することをおすすめします。Series 2よりはるかに快適な動作で、OSアップデートもまだサポートされており、長く安心して使えます。
まとめ
Apple Watch Series 2は、2025年現在においても「限定的な用途であれば、まだ十分に使えるスマートウォッチ」です。
特に、通知確認とApple Pay(日本モデル限定)という2大機能は、日々の生活を確実に便利にしてくれます。
一方で、OSのサポート終了、バッテリーの劣化、動作の遅さ、修理不可といった、年月を重ねたデジタルデバイスならではの弱点も抱えています。
この記事で解説した「できること」と「できないこと」、そして「注意点」を天秤にかけ、あなたのライフスタイルにとってApple Watch Series 2が本当に価値ある一台なのか、見極める手助けとなれば幸いです。
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