「最近、知らない番号からの迷惑電話が急に増えた…」
「営業や勧誘の電話がしつこくて、うんざりしている」
心当たりのない着信が続くと、ストレスが溜まりますよね。重要な電話かもしれないと思うと、無視するわけにもいかず困っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、迷惑電話が急に増える主な理由から、具体的な手口、そして今日からすぐに実践できる効果的な対策まで、分かりやすく解説していきます。
迷惑電話の正体を知り、適切な対策を講じることで、不要なストレスから解放されましょう。
なぜ?迷惑電話が急に増えたと感じる5つの理由
迷惑電話が突然増えたのには、いくつかの理由が考えられます。原因を知ることで、より効果的な対策が見えてきますよ。
1. 名簿業者から電話番号が流出している
残念ながら、あなたの電話番号は「名簿屋」と呼ばれる業者を通じて売買されている可能性があります。
過去にアンケートや懸賞に応募したり、何らかのサービスに登録したりしたことはありませんか。その際に提供した個人情報が、本人の知らないところで第三者に渡り、リスト化されて出回ってしまうのです。
一度リストに載ると、さまざまな業者に転売されてしまうため、複数の会社から次々と営業電話がかかってくる事態に陥ります。これが、迷惑電話が急増する大きな原因の一つです。
2. ランダムに電話をかける「オートコール」の存在
特定のリストを使わず、コンピューターが番号を自動生成して手当たり次第に電話をかける「オートコール(自動発信システム)」も原因の一つです。
このシステムは、実在するかどうか分からない番号へ無差別に発信します。そして、一度でも電話に出てしまうと「この番号は現在使われている」と認識され、その情報が記録されてしまいます。
結果として、その番号は「有効なリスト」として他の業者に渡ったり、再びターゲットにされたりする可能性が高まるのです。心当たりのない番号には出ない方が賢明と言えるでしょう。
3. 過去に利用したサービスから漏洩した
あなたが過去に利用した企業のサーバーがサイバー攻撃を受けたり、内部の人間が悪用したりして、個人情報が流出するケースも後を絶ちません。
近年、大手企業でも個人情報漏洩のニュースが度々報じられています。漏洩した情報には氏名や住所、メールアドレスだけでなく、電話番号も含まれていることがほとんどです。
漏洩した情報は、犯罪グループや悪質な業者の手に渡り、営業電話や詐欺電話に悪用されることがあります。自分に非がなくても、いつの間にか情報が漏れてしまうリスクは誰にでもあるのです。
4. 国際電話を悪用した詐欺の急増
「+1」や「+44」など、見慣れない国番号から始まる着信に注意してください。近年、国際電話を悪用した詐欺が深刻化しています。
警察庁の発表では、2024年上半期に特殊詐欺で使われたことが確認され、利用停止措置が取られた電話番号のうち、実に約54%が国際電話番号でした。
犯人は海外から電話をかけ、ワン切りで折り返しを誘って高額な通話料を発生させたり、片言の日本語で「荷物が届いている」などと偽って個人情報を聞き出そうとしたりします。心当たりのない国際電話には絶対に出ない、かけ直さないことを徹底しましょう。
5. 特殊詐欺グループの巧妙化
警察庁の最新の発表(令和6年上半期)によると、オレオレ詐欺や還付金詐欺といった「特殊詐欺」の被害は、依然として深刻な状況が続いています。
詐欺グループは、名簿屋から入手したリストやあらゆる手段で集めた情報をもとに電話をかけてきます。その手口は年々巧妙になっており、公的機関や大手企業を名乗るケースも少なくありません。
特に、自動音声ガイダンスを使って「未納料金があります」などと不安を煽り、個人情報を聞き出そうとする手口が多発しています。少しでも怪しいと感じたら、相手にせずすぐに電話を切ることが重要です。
参考:令和6年上半期の特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)|警察庁
【手口別】よくある迷惑電話のパターンと目的
迷惑電話と一口に言っても、その種類はさまざまです。ここでは、代表的なパターンとその目的について解説します。
営業・勧誘電話
不動産投資や光回線の乗り換え、不用品買い取りなど、さまざまなサービスの営業・勧誘を目的とした電話です。
中には、法律で禁止されている「再勧誘」をしつこく行ってきたり、断っているのに何度もかけてきたりする悪質な業者も存在します。
興味がない場合は、「いりません」「必要ありません」と明確に断ることが大切です。「検討します」といった曖昧な返事をすると、またかかってくる可能性があるので注意しましょう。
自動音声ガイダンス(NTTファイナンスなど)
「NTTファイナンスです。未納料金がありますので、1番を押してください」といった自動音声ガイダンスが流れる電話は、ほぼ100%詐欺です。
NTTファイナンスやAmazon、国税庁といった実在する企業や機関を騙り、金銭をだまし取ったり、個人情報を盗んだりするのが目的です。
指定された番号を押すと、オペレーターを名乗る人物につながり、巧みに個人情報を聞き出そうとしたり、電子マネーの購入を指示されたりします。絶対に指示に従わず、すぐに電話を切ってください。
ワン切り電話(国内・国際)
着信音が1〜2回鳴ってすぐに切れる「ワン切り電話」。これは、相手に折り返させることで利益を得るのが目的です。
国内の番号であれば、かけ直させることで自社のサービスへ誘導したり、営業リストに加えたりする意図があります。
前述の通り、国際電話の場合は高額な通話料を請求する詐欺の可能性が非常に高いです。いずれにせよ、心当たりのないワン切り電話には、決してかけ直さないようにしましょう。
参考:国際ワン切り詐欺とは?増加する背景や注意すべき国番号、対策を紹介
特殊詐欺(オレオレ詐欺、還付金詐欺など)
息子や孫、警察官、役所の職員などを装い、言葉巧みにお金をだまし取ろうとするのが特殊詐欺です。
「会社のお金を使い込んだ」「医療費の還付金がある」など、さまざまな口実で被害者を騙し、ATMでの振込や電子マネーの購入、現金の手渡しなどを要求してきます。
犯人は、相手を冷静にさせないよう、急かしたり不安を煽ったりするのが特徴です。身内を名乗る電話でも、一度切ってから本人や他の家族に事実確認をするなど、冷静な対応を心がけましょう。
今すぐできる!迷惑電話への効果的な対策7選【iPhone/Android】
迷惑電話は、スマホの設定や便利なサービスを活用することで、ある程度防ぐことが可能です。ここでは、誰でも簡単にできる対策を7つ紹介します。
1. 知らない番号には出ない・かけ直さない
最もシンプルで効果的な対策は、知らない番号からの電話には出ないことです。
重要な要件であれば、留守番電話にメッセージが残されるはずです。メッセージがない場合は、迷惑電話である可能性が高いと判断できます。
特に「+」から始まる国際電話や、非通知設定の電話は、詐欺や悪質な営業の可能性が高いため、無視するのが賢明です。
2. スマホの着信拒否設定を活用する
しつこくかかってくる特定の番号は、スマホ本体の機能で着信を拒否しましょう。一度設定すれば、その番号からの着信やメッセージは届かなくなります。
iPhoneの場合
- 「電話」アプリの「履歴」を開く
- 拒否したい番号の右にある「i」マークをタップ
- 一番下にある「この発信者を着信拒否」を選択
Androidの場合(機種により異なります)
- 「電話」アプリの「通話履歴」を開く
- 拒否したい番号を長押しし、「ブロックして報告」などを選択
この方法は手軽ですが、新しい番号からかかってきた場合には都度設定が必要になります。
3. 迷惑電話対策アプリを導入する
より強力な対策を求めるなら、迷惑電話対策アプリの利用がおすすめです。
これらのアプリは、警察や利用者が提供する膨大な迷惑電話番号データベースを元に、着信時に警告を表示したり、自動でブロックしたりしてくれます。
代表的なアプリには「Whoscall」などがあり、無料で使える機能も多いので、一度試してみる価値はあります。知らない番号からかかってきても、相手が誰なのか事前に分かるため、安心して電話に出られるようになりますよ。
4. キャリアの迷惑電話ブロックサービスを利用する
docomo、au、SoftBankといった大手キャリアは、月額制の迷惑電話対策サービスを提供しています。
これらのサービスは、キャリアが持つデータベースを活用して、迷惑電話を自動で拒否したり、着信時に警告画面を出したりするものです。
有料の場合が多いですが、スマホ本体の設定やアプリよりも精度が高く、留守番電話サービスと連携できるなど、手厚いサポートが魅力です。申し込みは各キャリアのショップやオンラインで簡単に行えます。
5.【比較表】どの対策が自分に合ってる?
ここまで紹介した対策を比較表にまとめました。ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選んでみてください。
対策方法 | 手軽さ | 効果 | 料金 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|
知らない番号は無視 | ◎ | 〇 | 無料 | 基本的な対策を徹底したい人 |
スマホの着信拒否設定 | ◎ | 〇 | 無料 | 特定のしつこい番号に困っている人 |
迷惑電話対策アプリ | 〇 | ◎ | 無料〜 | 多くの迷惑電話を自動で判別・拒否したい人 |
キャリアの公式サービス | △ | ◎ | 有料が多い | より高精度で手厚いサポートを求める人 |
6. 警察や専門機関に相談する
脅迫的な内容や、詐欺の疑いが強い悪質な電話を受けた場合は、一人で抱え込まずに専門機関へ相談しましょう。
身の危険を感じるような場合は、迷わず警察の相談専用電話「#9110」に電話してください。
参考:警察に対する相談は警察相談専用電話 「#9110」番へ(政府広報オンライン)
また、しつこい勧誘や契約に関するトラブルは、国民生活センター・消費生活センターの「消費者ホットライン(局番なしの188)」で相談を受け付けています。
参考:消費者ホットライン(消費者庁)
7. 電話番号を変更する
あらゆる対策を試しても迷惑電話が止まらない場合は、最終手段として電話番号の変更を検討するのも一つの手です。
もちろん、友人や会社への連絡、各種サービスの登録情報変更など、手間と費用がかかるため慎重に判断する必要があります。
しかし、鳴り止まない電話による精神的なストレスは計り知れません。どうしても解決しない時の「最後の砦」として、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。
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迷惑電話に出てしまった時の正しい対処法
うっかり迷惑電話に出てしまうこともあるかもしれません。そんな時でも、慌てず冷静に対処すれば大丈夫です。
すぐに電話を切る
相手の話が怪しい、営業電話だと分かった時点で、すぐに電話を切りましょう。「失礼します」と一言告げて切るのが理想ですが、何も言わずに切ってしまっても問題ありません。
相手に会話のペースを握らせないことが重要です。長話をすると、相手に言いくるめられたり、さらなる個人情報を引き出されたりするリスクが高まります。
個人情報を絶対に教えない
相手が企業や公的機関を名乗ったとしても、電話口で安易に個人情報を伝えてはいけません。
氏名、住所、生年月日、家族構成、勤務先、銀行口座の情報などはもちろん、「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問にも注意が必要です。返事の音声を録音され、悪用される可能性もゼロではありません。
「後でこちらからかけ直します」と伝え、一旦電話を切り、必ず公式サイトなどで調べた正規の電話番号にかけ直して事実確認をしましょう。
「結構です」ではなく「いりません」と断る
営業電話を断る際、「結構です」という言葉は避けましょう。この表現は「OKです」と肯定的に捉えられる可能性があり、相手につけ入る隙を与えてしまいます。
断る時は、「いりません」「必要ありません」「契約するつもりはありません」といった、誰が聞いても否定だと分かる明確な言葉を使うことが大切です。
強い意志を示すことで、相手も「この人には売れない」と判断し、再度の電話を諦める可能性が高くなります。
まとめ:冷静な対策で迷惑電話のストレスから解放されよう
今回は、迷惑電話が急に増える理由と、その効果的な対策について詳しく解説しました。
迷惑電話が増える背景には、名簿の流出やオートコールシステムの存在など、さまざまな要因が絡み合っています。しかし、その手口を知り、一つひとつ対策を講じることで、被害を未然に防ぐことは可能です。
まずは「知らない番号には出ない」という基本を徹底し、必要に応じてスマホの設定やアプリ、キャリアのサービスを活用してみてください。そして、万が一出てしまった場合も、慌てず「すぐに切る」「個人情報を教えない」ことを徹底しましょう。
この記事が、あなたの平穏な日常を取り戻す一助となれば幸いです。
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