ある日突然、スマホの画面に表示された「+425」から始まる見知らぬ電話番号。「誰からの電話だろう?」「もしかして海外?」と、不審に思った経験はありませんか。
国際電話と聞くと、重要な連絡かもしれないと少し気になってしまいますが、焦って出るのは禁物です。
結論から言うと、+425から始まる電話番号のほとんどは、応答する必要のない迷惑電話や、個人情報を狙った詐欺電話である可能性が非常に高いです。
この記事では、+425の正体、危険な詐欺の手口、そして最も安全な対処法を分かりやすく解説します。この記事を読めば、謎の着信に不安を感じることはもうありません。
+425はアメリカの電話番号!しかし安心は禁物
まず、「+425」という番号の仕組みから解説します。
電話番号の先頭にある「+」は、国際電話をかける際に使われる記号です。本来、国際電話番号は「+」「国番号」「市外局番」…と続きます。
「425」は国番号ではなく、アメリカ(国番号: 1)のワシントン州で使われている市外局番です。つまり、正式な表記は「+1-425」となります。
ではなぜ「+1」が省略されて表示されるのかというと、これは一部の通信網やスマートフォンの仕様によるものです。特にアメリカやカナダなどが含まれる北米の国番号「1」は、このように省略して表示されることがよくあります。そのため、「+425」と表示された時点で「アメリカからの国際電話だ」と判断できます。
このエリアにはMicrosoftの本社があるため、「Microsoftからの連絡では?」と考える方もいるかもしれませんが、大企業が日本の一般ユーザーに国際電話で連絡してくるケースは極めて稀です。安易に電話に出るのは非常に危険な行為だと認識しておきましょう。
なぜ+425から電話が?そのほとんどは詐欺・迷惑電話
では、なぜ遠いアメリカの市外局番から、私たちのスマホに電話がかかってくるのでしょうか。その目的のほとんどは、残念ながら私たちを騙そうとする悪質なものです。
国際電話は、発信元を特定しにくく、日本の法律による取り締まりが難しいという特性があります。詐欺グループは、この点を悪用して「+425」のような海外の番号を使って、警戒心の薄い人をターゲットに電話をかけているのです。
彼らの主な手口は「サポート詐欺」と呼ばれるものです。「あなたのアカウントがハッキングされました」「お使いのコンピュータがウイルスに感染しています」といった自動音声や片言の日本語で不安を煽り、偽のサポート窓口に電話をかけさせようとします。
そして、言葉巧みに個人情報やクレジットカード情報を聞き出したり、遠隔操作ソフトをインストールさせてPCを乗っ取ったり、偽のセキュリティソフトを高額で売りつけたりします。Microsoftなどの実在する企業名を騙るため非常に巧妙ですが、その実態は悪質な詐欺に他なりません。
【要注意】+425からの電話で使われる危険な手口
+425からかかってくる電話は、応答すること自体にリスクが伴います。ここでは、詐欺グループが用いる具体的な手口を知り、騙されないための知識を身につけましょう。
特徴 | 詐欺電話の典型例 | 正規の連絡(※極めて稀) |
---|---|---|
第一声 | 「マイクロソフトです」と名乗る自動音声、または片言の日本語。 | 流暢な日本語で、部署名と担当者名を明確に伝える。 |
用件 | 「ウイルスに感染」「アカウントに異常」など、曖昧な内容で危機感を煽る。 | 「先日のお問い合わせの件で…」など、具体的で心当たりのある用件。 |
要求 | パスワード、カード情報、ギフトカードの購入、遠隔操作ソフトの導入など。 | 正規のサポートでパスワードやカード情報を電話口で聞くことはまずない。 |
雰囲気 | 高圧的、執拗に支払いを要求する、すぐに電話を切らせない。 | 冷静で事務的。こちらの質問にも的確に答える。 |
もし万が一電話に出てしまい、上の表の「詐欺電話の典型例」に一つでも当てはまる点があれば、それは100%詐欺です。相手の話を一切聞く必要はありません。すぐに電話を切ってください。「でも、もし本当だったら…」と考える必要は一切ありません。ためらわずに切ることが、あなた自身を守る最善の行動です。
+425への最も安全な対処法は「完全無視」
それでは最後に、+425から着信があった場合に取るべき、最も安全で確実な対処法を解説します。
鉄則は「出ない」「かけ直さない」
最も重要な原則は、「知らない国際電話は、完全に無視する」ことです。
一度でも応答してしまうと、詐欺グループのリストに「この番号は現在使われている」と登録され、さらに多くの迷惑電話がかかってくる原因になります。カモリストに載ってしまうわけです。
また、「どんな用件だろう?」と興味本位でかけ直すのは絶対にやめてください。意図せず高額な国際通話料金が発生する「国際ワン切り詐欺」の被害に遭う可能性があります。着信履歴が残っていても、ただ削除するだけで何も問題ありません。
しつこい着信は「着信拒否」でシャットアウト
もし何度も同じ番号からかかってきてしつこい場合は、スマートフォンの「着信拒否」機能を活用しましょう。iPhoneでもAndroidでも、着信履歴から簡単な操作で特定の番号をブロックできます。
設定方法が分からない場合は、「お使いの機種名 着信拒否 方法」などで検索すれば、詳しい手順が見つかります。また、各携帯キャリアが提供している迷惑電話対策サービスを利用するのも効果的です。これらを活用し、危険な電話が二度とかかってこないように設定しましょう。
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まとめ:+425からの電話は危険!冷静に無視が正解
今回は、+425から始まる電話番号の危険性と、その正しい対処法について解説しました。
- +425はアメリカの市外局番だが、ほとんどが詐欺・迷惑電話
- Microsoftなどを騙り、個人情報や金銭を狙う手口が横行している
- 正規の企業から国際電話がかかってくることは、まずない
- 最も安全な対処法は「出ない・かけ直さない・着信拒否」の3つ
見知らぬ番号、特に国際電話からの着信は、不用意に応答しないことが自分自身を守る最大の防御策です。この記事を参考に、冷静に「完全無視」を徹底してください。
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