
アバルトとフィアットの違いを徹底比較!見た目は似て非なる2台、あなたに合うのはどっち?
街で見かけるおしゃれで可愛いフィアット。でも、時々エンブレムが「サソリ」になっている、少しやんちゃな雰囲気のモデルを見かけませんか?それが「アバルト」です。
※注意点(2025年7月時点)
フィアット500/500Cは2024年に日本での販売が終了しました。現在は在庫限りの販売となっており、新車での購入は困難な状況です。一方、アバルトは継続して販売されています。
「フィアットとアバルトって、見た目は似ているけど何が違うの?」
「アバルトの方が速いって聞くけど、具体的にどう違うんだろう?」
そんな疑問を持つあなたのために、この記事ではアバルトとフィアットの違いを徹底的に比較解説します。両者の関係性から、具体的な性能、乗り味、そしてどんな人におすすめなのかまで、この記事を読めばすべてが分かります。ぜひ、あなたの理想の一台を見つける参考にしてくださいね。
そもそもアバルトとフィアットってどんな関係?
まず、基本となる関係性から整理しましょう。簡単に言うと、フィアットが「ベースとなる車を作るメーカー」で、アバルトは「そのフィアット車を高性能にチューニングするブランド」です。
もともとアバルトは、カルロ・アバルトという一人の天才技術者が設立した独立した会社でした。彼はフィアット車をベースにしたレーシングカーを次々と生み出し、レースの世界で大活躍します。その功績が認められ、1971年にフィアットに買収され、公式なパフォーマンス部門となったのです。
この関係は、メルセデス・ベンツにおける「AMG」や、BMWにおける「M」のようなものだとイメージすると分かりやすいかもしれません。つまり、アバルトはフィアットという素材の良さを最大限に引き出し、走り好きの心を熱くする刺激的なモデルへと昇華させる、魔法使いのような存在といえるでしょう。エンブレムのサソリは、創業者カルロ・アバルトの星座に由来しており、その毒のある刺激的な走りを象徴しています。
見た目以上に中身が違う!具体的な違いを5つのポイントで比較
アバルトとフィアットは、見た目こそ似ていますが、中身は全くの別物です。ここでは、代表的な「フィアット500」と「アバルトF595」を例に、具体的な違いを5つのポイントで比較していきます。
比較表で一目瞭然!フィアット500 vs アバルトF595
比較項目 | フィアット 500 1.2 CULT (販売終了) | アバルト F595 |
---|---|---|
エンジン | 直列4気筒 1.2L (自然吸気) | 直列4気筒 1.4L ターボ |
最高出力 | 69ps | 165ps |
最大トルク | 102Nm | 210Nm (SPORT時:230Nm) |
トランスミッション | 5速AT (ATモード付) | 5速MT |
エクステリア | 丸みを帯びた可愛いデザイン | 専用エアロパーツ、大型グリル |
インテリア | おしゃれでポップな内装 | スポーツシート、専用メーター |
マフラーサウンド | 静かで穏やか | 刺激的で官能的なサウンド |
足回り | 乗り心地重視のセッティング | スポーティで硬めのセッティング |
新車価格帯 | 販売終了(最終価格254万円〜) | 433万円〜458万円 |
※フィアット500は2024年に販売終了。アバルトF595の価格は2025年7月時点の情報。グレードにより仕様は異なります。現在の在庫状況や最新価格については正規ディーラーにお問い合わせください。
① パワフルなエンジンと刺激的な加速力
最大の違いは、やはり心臓部であるエンジンです。フィアット500が1.2Lの自然吸気エンジンで街乗りをスムーズにこなすのに対し、アバルトF595は1.4Lのターボエンジンを搭載しています。
スペックを見ればその差は歴然。最高出力は倍以上、トルクも2倍以上の数値を叩き出します。このパワフルなエンジンが、あのコンパクトなボディを猛烈に加速させるのです。アクセルを踏み込んだ瞬間に背中を押されるような加速感は、一度味わうと病みつきになる魅力があります。単に速いだけでなく、車を操る楽しさ、機械と一体になる感覚を存分に味わえるのがアバルトの走りだといえるでしょう。
② 心を揺さぶる官能的な「アバルトサウンド」
アバルトを語る上で絶対に外せないのが、その独特なエキゾーストサウンドです。特に「レコードモンツァ」という高性能マフラーが装着されたモデルの音は、アバルトの代名詞ともいえます。
エンジンをかけた瞬間に響き渡る、野太く乾いたサウンド。アイドリング時でさえ、ただ者ではない雰囲気を醸し出します。そしてアクセルを踏み込むと、「バリバリッ」というレーシーな音とともに回転数が上昇し、ドライバーの気分を高揚させます。このサウンドは、ただ大きいだけでなく、心地よく調律されているのが特徴。静かで快適なフィアットとは対極にある、五感に訴えかける演出がアバルトの真骨頂なのです。
③ スポーティで硬派な内外装デザイン
デザインのベースは同じフィアット500ですが、アバルトは細部にわたって戦闘力を高めるための変更が加えられています。エクステリアでは、大型のエアインテークを備えたフロントバンパーやサイドスカート、リアディフューザーなどが装着され、明らかにアグレッシブな印象です。
インテリアも同様に、体をしっかりとホールドしてくれるスポーツシートや、太めのスポーツステアリング、ブースト圧を示す専用メーターなどが装備され、ドライバーのやる気をかき立てます。フィアットのおしゃれでポップな雰囲気とは一線を画す、機能美を追求したレーシーな空間が広がっています。
④ ダイレクトなハンドリングを生む足回り
アバルトの魅力は、直線での速さだけではありません。その真価はコーナリングで発揮されます。フィアット500が街中での乗り心地を重視したしなやかな足回りなのに対し、アバルトはサスペンションやブレーキが大幅に強化されています。
車高が下げられ、硬めのスプリングやダンパーが組み込まれた足回りは、路面の状況をダイレクトにドライバーに伝えます。これにより、カーブでも車体が安定し、思い通りのラインをトレースできるキビキビとしたハンドリングが楽しめます。乗り心地は硬めですが、その分、車との一体感は格別です。
⑤ 価格と価値観の違い
これだけの性能差があるため、当然ながら価格にも違いが生まれます。アバルト595は、かつてのベースとなるフィアット500に比べて100万円以上高価な設定でした(現在フィアット500は販売終了)。
フィアットは、日常に彩りを加える「ファッションアイテム」としての側面が強いといえます。一方のアバルトは、走りの性能や官能的な体験にお金を払う「趣味性の高いスポーツカー」です。どちらが良い悪いではなく、車に何を求めるかという価値観の違いが、この価格差に表れているのです。
参考1:アバルト公式サイト
参考2:フィアット公式サイト
現在の選択肢について
フィアット500の販売終了により、新車での選択肢は大きく変わりました。現在の状況を踏まえた選択肢をご紹介します。
フィアット500をお探しの方へ
新車での購入は困難ですが、以下の選択肢があります。
- 認定中古車や在庫車を探す(ディーラーに相談)
- フィアット500eを検討する(電気自動車版)
- 他の類似コンパクトカーを検討する
フィアット500は、その愛らしいデザインとコンパクトで扱いやすいボディが最大の魅力です。日常の足として使いながら、日々の生活をおしゃれに彩りたいという方には、フィアットがぴったりでしょう。乗り心地もマイルドで、誰でも気軽に運転を楽しめる一台です。
フィアット500eで後悔しない選び方|知っておくべき5つのポイント
アバルトがおすすめな人
- 車は単なる移動手段ではなく「相棒」だと考える人
- マニュアル操作を含め、車を操る楽しさを追求したい人
- エンジン音や加速感など、五感で感じる刺激が好きな人
- 週末はワインディングやサーキットに走りに行きたい人
- 「普通」では満足できない、所有する喜びを感じたい人
アバルトは、利便性や快適性よりも「走る楽しさ」を最優先に設計された車です。硬めの乗り心地や官能的なサウンドは、人によっては「うるさい」「疲れる」と感じるかもしれません。しかし、そのじゃじゃ馬っぷりこそがアバルトの魅力。車との対話を楽しみ、非日常的な刺激を求めるあなたには、最高のパートナーとなってくれるはずです。
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まとめ:それぞれの魅力を持つ、最高のイタリアンコンパクト
今回は、アバルトとフィアットの違いについて解説しました。
- フィアット: おしゃれで扱いやすい、日常を彩るパートナー
- アバルト: フィアットをベースに走りを極めた、刺激的なスポーツカー
両者は、同じ骨格を持ちながらも、全く異なる個性と魅力を持っています。例えるなら、人懐っこく愛嬌のある弟(フィアット)と、少しやんちゃで才能あふれる兄(アバルト)といったところでしょうか。
どちらを選ぶかは、あなたが車に何を求めるか次第です。フィアット500の新車購入は困難な状況ですが、アバルトの試乗や、フィアット500の認定中古車の確認をディーラーで相談してみることをおすすめします。
カタログスペックだけでは分からない、それぞれの乗り味や雰囲気を肌で感じることで、きっとあなたにとっての「正解」が見つかるはずです。この記事が、あなたの素敵なカーライフの第一歩となれば幸いです。
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