
レンジローバーイヴォークが小さい理由|サイズ・取り回し・PHEVの実力とは?
都市に最適なサイズ感でありながら、レンジローバーらしい上質さと悪路走破性を凝縮したレンジローバーイヴォーク。本稿では、プラットフォームから最小回転半径、維持費まで解説します(2025年5月ランドローバー日本公式カタログ準拠)。
イヴォークが“小さくて強い”理由──PTAプラットフォーム
第2世代イヴォーク(L551)はPTA(Premium Transverse Architecture)を採用。先代D8を電動化対応へ刷新し、48V MHEVとP300e PHEVを無理なく収めるフロア設計を実現しました。高張力スチール×アルミ混成ボディにハイドロマウントを組み合わせ、軽量化と高剛性・静粛性を両立しています。
参考:webCG 試乗記
ボディ寸法の統一
日本仕様公式:全長4370mm×全幅1900mm×全高1630mm。欧州仕様の4380mm×1905mm×1650mmという表記差は、バンパー形状とアンテナ高の違いです。本稿は国内販売車の数値で統一しています。
最小回転半径を正しく理解する
ランドローバー日本公式カタログのTurning Circle(kerb‑to‑kerb)※は11.6m(直径)です。半径換算で約5.8m。
※Turning Circle:ハンドルを一杯に切って旋回した時の外輪の軌跡の直径を表す言葉
一部国内メディアが「最小回転半径5.5m」と紹介していますが、これは欧州向けEarly Spec(直径11.0m)を転記した可能性が高いと考えられます。なおwall‑to‑wall(車両前端基準)は約12.1mで、SUVとしては小回りが利く部類に入ります。
立体駐車場ターンテーブル(内径6.0m前後)ではハンドルを切り切る前に一周できるため、日常使いで不満は感じにくいでしょう。
荷室と居住性──小さくても頼れる472L
後席使用時472L(ドライ)/591L(ウェット)の荷室は20インチスーツケース3個、ゴルフバッグ2本を収容。40:20:40分割可倒シートを倒すと約1430Lに拡張し、大型家電やスノーボードも搭載できます。防水加工フロアと70度開くリアドアで、子どもの送り迎えからキャンプまで万能です。
P300e PHEV最新スペック
- 導入:2020年追加、2025年モデルは制御ソフト最適化
- バッテリー:総容量14.9kWh(使用可11.9kWh)
- EV航続:約62‑65km(WLTP)
- 充電:DC50kWで0‑80%約30分/AC7kWで0‑100%約2時間12分
- システム出力:309PS=エンジン200PS〈5000‑5500rpm〉+モーター109PS〈3500rpm〉※ピーク回転数が異なるため常時合算ではない
0‑100km/h加速は7.0秒台。EVモード中心なら都内の通勤往復を無給油でこなせ、ハイブリッド切替で長距離も安心です。
【比較表】主要モデル&取り回し
モデル | 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | 最小回転半径 (kerb‑to‑kerb) | 荷室 |
---|---|---|---|---|---|---|
イヴォーク | 4370mm | 1900mm | 1630mm | 2681mm | 5.8m | 472L |
ヴェラール | 4797mm | 1930mm | 1665mm | 2874mm | 5.9m※ | 552L |
レンジローバー スポーツ | 4946mm | 2047mm | 1820mm | 2997mm | 6.1m※ | 647L |
レンジローバー | 5052mm | 2047mm | 1870mm | 2997mm | 6.2m※ | 725L |
BMW X1 | 4500mm | 1835mm | 1625mm | 2692mm | 5.4m | 540L |
※ランドローバー公式メディアキット。
3年間コストシミュレーション(東京都在住例)
- 年間走行:1万km
- 燃費:P250ガソリン=WLTC11.2km/L
- ガソリン単価:170円/L
- 電費:6.5km/kWh(夜間28円/kWh)
P300e PHEV | P250 ガソリン | |
---|---|---|
燃料/電気 | 約26万円 | 約45万円 |
自動車税(3年) | 118,500円 | 118,500円 |
重量税(初回車検まで) | 免税※ | 45,000円 |
東京都ZEV補助 | ▲200,000円 | 対象外 |
※エコカー減税で初回車検(3年目)まで100%免税。その後は通常課税。
注:電力単価・走行距離・給油頻度で前後するため、実際のコストは使用条件に応じて変動します。
イヴォークはこんな人におすすめ
- 都心の狭路と週末アウトドアを1台でこなしたい
- 完全EVは不安だが電動走行の静粛性は欲しい
- 駐車場制限で大型SUVを諦めていた
- ブランドステータスと個性的デザインを両立したい
背もたれ角度が立ち気味なので、大人4人で長距離移動が多い場合はヴェラールと比較試乗すると納得感が高まります。
まとめ:小ささが生む“自由”を体験しよう
イヴォークは4370mmのボディに上質な室内、62‑65kmのEV航続、5.8mの取り回しを凝縮。“大きさ”ではなく“使いこなし”でプレミアムを語る新時代のSUVです。試乗で“小ささ=自由”を体感してみてください。
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