
ポルシェ718ケイマンはどんな人が乗る?魅力・維持費・中古相場を解説【最後のガソリンスポーツカー】
「ミッドシップの純粋なドライビングプレジャーを日常で味わいたい」――そんな大人の願いを叶える定番がポルシェ・ケイマンです。
今年も現行718ケイマンは日本市場で強い注目を集めています。本記事では、ケイマンに“乗る人”のライフスタイルから維持費、ライバル比較、中古相場、さらに今後のモデル動向まで丸ごと解説します。
ポルシェ・ケイマンの基本と最新モデル解説
現行718ケイマンは排気量2L・300PSのターボ水平対向4気筒を搭載するベースグレードを筆頭に、2.5L・350PSのS、自然吸気4L・400PSで官能を奏でるGTS4.0、サーキット直系のGT4RSまで多彩なラインアップを誇ります。
(GT4RSは911GT3譲りの4.0L自然吸気エンジン(最高出力500PS)を搭載し、シリーズ最強の走行性能を誇ります。)
車両価格は948万円〜1262万円と、911より抑えめながら“ポルシェらしさ”をフルに味わえるのが魅力。0‑100km/h加速は4.9秒(ベース)〜4.0秒(GTS4.0)と同クラス最高水準です。
ミッドシップ特有の前後45:55という理想的な重量配分により、ハンドリングの鋭さと安定性を両立。最新モデルではAppleCarPlayのワイヤレス化や高度なコネクテッド機能が追加され、日常域の快適性も向上しました。
なお、ポルシェは現行ICE(内燃機関)718ケイマン/ボクスターの生産を2025年10月で終了すると発表しており、同時期に電動後継モデルが登場すると見込まれています。
新車購入を検討する際は「最後のガソリンミッドシップ」を手に入れる機会が限られている点も意識しておきたいところです。
ケイマンに乗る人の特徴とライフスタイル
ケイマンのオーナー層は30〜50代が中心。平日はビジネスに邁進し、週末はワインディングロードでリフレッシュする“オンもオフも全力”タイプが目立ちます。
911の華やかさよりも「通好みのミッドシップ」を選ぶ審美眼を持ち、見栄より走りの質を重視する点が特徴。また、2シーターであることを理解した上でセカンドカーや趣味車として迎え入れる家庭持ちも多いです。
ハッチバックほどではないものの、スポーツカーとしては実用的なトランク容量(150L+後部トレイ)を活かし、買い物やゴルフにも難なく対応。
こうした“スポーツカーは不便”という固定概念をスマートに覆すスタイルがケイマン乗りの共通項と言えるでしょう。
ミッドシップが生む走行性能とケイマンの魅力
ケイマン最大の魅力は、キャビン真後ろにエンジンを搭載するミッドシップレイアウトが生む俊敏な回頭性です。重心が車体中央に集中することでステアリング入力に対する応答が鋭く、コーナー脱出時のトラクションも高水準。
スポーツクロノパッケージ装着車ならローンチコントロールも備わり、サーキット走行も容易。それでいて普段は可変ダンパー“PASM”が路面の凹凸をいなし、長距離クルーズでもスポーツカー基準では十分に快適に移動できます。
水平対向エンジン特有の低重心と、ターボでも官能的な排気音が両立し、ドライバーは五感で“ポルシェのDNA”を味わえます。
維持費とランニングコスト:国産スポーツカーと比較
購入後に気になるのが維持費です。ケイマンは自動車税が排気量2L(ベース)で年3万9500円。実燃費は7〜9km/L程度が目安で、市街地中心だと5〜6km/Lまで落ちるケースもあります。下表では主要ライバル2車と代表値を比較しました。
車種 | 価格(万円) | 最高出力(PS) | 0‑100km/h | 駆動 |
---|---|---|---|---|
718ケイマン | 948〜1262 | 300〜400 | 4.9〜4.0秒 | MR |
GRスープラRZ | 800 | 387 | 4.1秒 | FR |
日産Z VersionST | 550〜676 | 405 | 4.5秒 | FR |
燃費や税金は国産勢と大差ありませんが、ブレーキローターやタイヤ、各種オイル類など消耗品は輸入車価格となり、車検・メンテナンス費用はやや高めです。
とはいえミッドシップならではの操縦安定性と高いリセールバリューを加味すれば、総支払額は意外と競合比で大差がないケースも多いでしょう。
参考:ポルシェジャパン公式 / トヨタ公式 / 日産公式
中古市場とリセールバリューの実態
ケイマンは「値落ちしにくいポルシェ」の代表格です。目安としては、新車から5年・5万km走行の条件で買取相場は650万〜700万円。
購入時価格の約70%を維持しており、国産スポーツカー平均50%前後と比較すると圧倒的。要因は国内流通台数の少なさと海外需要の高さ。
特に右ハンドル車はオーストラリアなどへの輸出需要が強く、相場を下支えしています。逆に“事故歴”や“並行輸入車”は査定で大きく減点されるため、購入時は履歴の透明性を重視しましょう。
どんな人にケイマンが向いているか?タイプ別診断
カーライフの軸を「運転そのものの楽しさ」に置き、2シーターでも不便を感じない人が最適です。具体的には
・平日はコンパクトSUVやEVを使い分け、週末にスポーツドライブを楽しみたいファミリー層
・オープンより剛性を求めるサーキット愛好家
・911ほど目立たず、本物志向を貫きたいビジネスエグゼクティブ
・“いいモノを長く使う”価値観で所有コストを抑えたいリセール重視派
が挙げられます。反対に、後席や大きな荷室を必要とする生活スタイルなら別の選択肢を検討するのも一つの手です。
ポルシェを買うと人生が変わる理由と注意点まとめ【体験談から学ぶ】
まとめ:ケイマンで始める“大人のスポーツカー生活”
ポルシェ・ケイマンは価格だけ見るとハードルが高いかもしれません。しかし、ミッドシップがもたらす唯一無二の走行性能、堅牢なリセール、そしてブランド体験を総合すれば“コスト以上の価値”を提供してくれる一台です。
さらに「最後のガソリン718」という希少性も購入後の満足感を高める要素。運転を趣味に昇華させたいなら、まずは試乗でミッドシップの切れ味と官能的なサウンドを体感してみてください。
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