
【ストレージ最適化】ゲームはHDD・SATA SSD・NVMe SSDのどこにインストールすべき?ロード時間・カクつきへの影響
近年、ゲームの大容量化やオープンワールドの普及に伴い、ストレージ選びがゲーム体験に大きく影響を与えるようになりました。特にロード時間やテクスチャのストリーミング速度(I/O待ち=I/O wait)が、プレイ中のストレスや没入感に直結します。
本記事では「HDD」「SATA SSD」「NVMe SSD」の代表的な3種類を比較し、どこにゲームをインストールすべきかをわかりやすく解説します。
※本記事では普及率の高いPCIe 3.0×4対応NVMe SSDを基準に解説しています。PCIe 4.0(5,000~7,000 MB/s)やPCIe 5.0(9,000~14,000 MB/s)モデルでは、さらに高速なロード体験が可能です。
各ストレージの基本性能
ストレージ | シーケンシャル 読み取り速度 | ランダム(QD1) 読み取り速度 | 価格目安 (1TBあたり) | 耐久性・寿命 | メリット/デメリット |
---|---|---|---|---|---|
HDD | 80~160 MB/s | 0.5~1 MB/s | 約5,000 円 | 機械的寿命:約3~5年 | 安価で大容量。断片化で遅延が発生しやすく、ロード時間が長い。 |
SATA SSD | 450~600 MB/s | 30~50 MB/s | 約8,000~10,000 円 | TBW:150~300 TBW | HDD比4~6×高速。コスパ良好だが、NVMeほど高速ではない。 |
NVMe SSD (PCIe 3.0×4) | 1,500~3,500 MB/s | 100~200 MB/s | 約12,000~20,000 円 | TBW:300~600 TBW | 最速の読み込み性能。高価だが、最新ゲームやテクスチャストリーミングに最適。 |
※QD1=Queue Depth 1。同時命令数1でのランダムアクセス時の性能。
ロード時間への影響
代表的なオープンワールドタイトル『Elden Ring』や『Cyberpunk 2077』では、ストレージによってエリア移動の待ち時間に大きな差が出ます。
ストレージ | ロード時間の目安 | 例:『Elden Ring』 |
---|---|---|
HDD | 約30秒 | エリア移動に30秒以上かかることも |
SATA SSD | 約10秒 | 待ち時間が半分以下に |
NVMe SSD | 約5秒 | ほぼ即時ロード |
カクつき(フレームレートへの影響)
フレームレート(FPS)自体は主にGPU/CPU性能が決め手ですが、以下のようにストレージ速度が間接的に影響します。
- テクスチャストリーミング:高解像度テクスチャの読み込みが間に合わないと、I/O waitによる一瞬の“カクつき”が発生する。
- シーンチェンジ:連続読み込みが追いつかず、GPUが待機する時間が増える。
- コンソール最適化:PS5やXbox Series X|Sは高速NVMeを標準搭載し、DirectStorage技術(GPUへのデータ転送を高速化する仕組み)によってPC版でも同様の恩恵を受けられるタイトルが増えている。
最適なストレージ配置の提案
- メインゲームはNVMe SSD
最新作やオープンワールド、競技性の高いタイトルには最優先で配置。CPU/GPUも高性能モデルを併用することでボトルネックを防ぐ。 - セカンドゲームや旧作はSATA SSD
コストと容量のバランス重視。NVMeほど速くないが、HDD比で十分快適。 - バックアップ/低頻度プレイはHDD
容量単価の安さを活かし、インストール済みのまま放置するゲームや動画・音楽データの保管用に。
【徹底比較】NVMe SSD vs SATA SSD ─ どちらを選ぶべきか?
まとめ
- ロード時間:NVMe SSD > SATA SSD > HDD。Elden Ringでのロード差が体感できる。
- カクつき(I/O wait):高速ストレージならテクスチャ読み込みがスムーズになり、プレイ体験が向上。
- DirectStorage&コンソール最適化:最新ゲームの高速アクセス技術を活用しよう。
- 価格・耐久性:HDDは1TB約5,000 円、SSDは8,000~20,000 円。SSDのTBWやHDDの機械的寿命も検討基準に。
- システムバランス:高速ストレージを活かすにはCPU/GPU性能やマザーボードのインターフェース(とくにM.2スロットのPCIe世代対応)にも注意。
快適なゲーム体験を得るには、「速度」と「容量単価」、「耐久性」をバランスよく組み合わせましょう。
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