
【RTX 4090 vs RTX 4080 vs RX 7900 XTX】ハイエンドGPUの本当の違いとは?比較解説
RTX 4090・RTX 4080・RX 7900 XTXの違いは?価格・性能・消費電力・用途別の最適解を、2025年最新の実測データで分かりやすく比較します。
価格差 ─ MSRPとの乖離まで可視化
*発売時の税別希望小売価格
**1 USD ≒ 150 円で概算。値上がり率は「実売 ÷ (MSRP×為替)」
→ 円安+プレミアムにより、NVIDIA勢はMSRPの7〜9割高。対してRX 7900 XTXはコスパ優位が際立ちます。
主要スペック早見表
項目 | RTX 4090 | RTX 4080 | RX 7900 XTX |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Ada Lovelace (AD102) | Ada Lovelace (AD103) | RDNA 3 (Navi 31) |
演算ユニット | 16,384 CUDA | 9,728 CUDA | 6,144 Stream |
VRAM / バス幅 | 24 GB GDDR6X / 384 bit | 16 GB GDDR6X / 256 bit | 24 GB GDDR6 / 384 bit |
公称TGP/TBP* | 450 W | 320 W (TGP) / 平均251 W実測 | 355 W (公称) / +15 %で400 W超え可 |
映像端子** | HDMI 2.1 + DP 1.4a | 同左 | HDMI 2.1 + DP 2.1 |
目玉機能 | DLSS 3.5, AV1デュアルENC | DLSS 3.5 | FSR 3, AV1 ENC, DP 2.1 |
*TGP(Total Graphics Power)はNVIDIA用語、TBP(Total Board Power)はAMD用語で、どちらも消費電力の目安。
**DP 2.1はDP 1.4aと比べて帯域が大幅に広く、8K/165Hzや4K/240Hzなどの超高解像度・高リフレッシュ出力に対応可能。
GPUの性能を最大限に引き出すためには、システム全体のバランスも重要です。特にメモリの選定については、DDR4とDDR5の違いと最適な選び方をご参照ください。
ゲーム性能 ― 実フレームレートで比較
ラスタライズ(4K・最高設定)平均FPS
- RTX 4090:4090 ≫ 4080 ≫ 7900 XTX の順で、4090は7900 XTXより約22 %高速。
- RTX 4080 vs RX 7900 XTX:最新ベンチでは両者の差は±2 %以内で拮抗。
レイトレーシング + フレーム生成
- 4090/4080は第3世代RTコア+DLSS 3.5で、ネイティブ4K/60 fps超を安定維持。
- 7900 XTXは第2世代Ray Accelerator+FSR 3。ゲームによって伸び幅が大きく変動し、例えば『Avowed』では2倍超のfps増も報告される一方、水面描画に破綻が出るケースも。
※DLSSはAI予測補間による生成、FSRは時間・空間情報の合成型。FSRの方が幅広いGPUで動作する一方、画質安定性ではDLSS優位のケースも多いです。
クリエイティブ & AIワークロード
用途 | RTX 4090 | RTX 4080 | RX 7900 XTX |
---|---|---|---|
生成AI (Stable Diffusion) | 最大40 it/s ≒ 0.5 秒/枚 (SD 1.5, 512²) | VRAM16 GBの制約で約25 it/s前後* | ROCm対応モデルなら実行可。PyTorch 2.3で速度改善中 |
4K/8K動画編集 | デュアルAV1エンコーダで最速 | 同左 | DaVinci Resolve 18.6でAV1対応 |
3Dレンダリング | OptiX + CUDAでBlenderが最速 | 実用十分 | HIPレンダリングはβ段階 |
*同一設定・PyTorch 2.x+xFormers環境での報告平均
高速なストレージも、クリエイティブ作業やAIワークロードの効率化に寄与します。詳細は、PCIe 5.0 SSDの効果と限界をご覧ください。
消費電力と発熱 ― “平均”で見る現実
GPU | 平均ゲーム時W | 備考 |
---|---|---|
RTX 4090 | 430‑460 W前後 (AIB OCモデル) | 要1000 W級電源/16‑pin |
RTX 4080 | 251 W (NVIDIA公式平均) | 実測も概ね300 W未満で静音性◎ |
RX 7900 XTX | 340 W前後、+15 % PLで400 W超え | リファレンスはホットスポット温度に注意 |
“価格上昇率”で見る隠れた優等生
日本の実売では、RX 7900 XTXだけがMSRP+37%で踏みとどまり、コストパフォーマンスが光ります。RTX 40系は円安と需要の影響で7〜9割高と割高感が強く、特に4090は価格急騰が顕著です。
VRAM容量と価格のバランスについては、GPUのVRAM容量の違いと必要性も参考になります。
最適な用途別おすすめ
シナリオ | 推奨GPU | 主な理由 |
---|---|---|
4K/120 Hz+生成AI+8K編集を1台で | RTX 4090 | 最高性能・24 GB VRAM・DLSS 3.5 |
4K/60‑144 Hzゲーミングと静音重視 | RTX 4080 | 消費電力低め・DLSS 3.5で長期運用◎ |
コスパ重視/DP 2.1環境/価格上昇を避けたい | RX 7900 XTX | MSRP+37 %、24 GB VRAM、FSR 3 |
まとめ
- RTX 4090:性能とAIワークロードで頭一つ抜けるが、価格上昇率も最大。
- RTX 4080:最新ベンチでは7900 XTXとほぼ同速。電力効率が高く扱いやすい。
- RX 7900 XTX:レイトレ弱点はあるものの、価格維持+DP 2.1で独自の魅力。
最終的には「解像度・予算・電源容量」の3条件を軸に、上記の長所短所を天秤にかけると後悔しません。この記事がGPU選びの一助になれば幸いです。
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