記事内に広告が含まれる場合があります。

【徹底検証】PCIe 5.0 SSDは本当に速い?ゲーム・動画編集での効果と限界を比較解説

【徹底検証】PCIe 5.0 SSDは本当に速い?ゲーム・動画編集での効果と限界を比較解説

【徹底検証】PCIe 5.0 SSDは本当に速い?ゲーム・動画編集での効果と限界を比較解説

PCI Express 5.0 SSDは驚異の読込速度13GB/s超をうたい、旧世代のPCIe 4.0 SSDを大きく上回ります。
しかし、実際のゲームロード時間や動画編集において、それほどの違いを体感できるのでしょうか?
この記事では、最新ベンチマークや業界データをもとに、PCIe 5.0と4.0の性能差・導入メリット・将来性について徹底解説します。

DirectStorage対応タイトルはまだ「50本前後」

  • SteamDBのSDK検出件数 — 50タイトル(デモやベンチを含む、記事執筆時点)​
  • Epic Games Store や Microsoft Store を加えても 60本程度 と推定され、全体の1 %未満。
  • 大作例:Ratchet & Clank: Rift ApartForza MotorsportDiablo IVGhost of Tsushima PC など。

対応数が少ない現状では、帯域の差がロード時間に直結しにくい点を押さえておきましょう。

PCIe 4.0 vs 5.0 — ゲームロード時間の実測

  • 平均差:1〜3 %(Corsair MP700 Elite 2 TB vs Samsung 990 Pro 2 TB、7タイトル平均)​
  • 個別タイトル差:0.1〜0.4 秒Alan Wake 2Cyberpunk 2077 など)。
  • 3DMark DirectStorage 1.2 テストでもスコアは伸びるがロード時間はほぼ横ばい

プロ向けワークロードでの差は?

タスクPCIe 5.0 SSDPCIe 4.0 SSD差分
Premiere Pro 100本(29 GB)インポート約89 秒約91 秒‑2 %
DaVinci Resolve 18 インストール74 秒76 秒‑3 %
Unreal Engine 5 プロジェクト起動38 秒40 秒‑5 %

※TechPowerUp Real‑World Suite(ドライブ容量85 %使用時)の平均値。​

8K動画編集で必要な帯域

Puget Systemsの検証によれば、8K DPX/RAWの単一ストリーム再生に必要な実効帯域は700 MB/s〜4.4 GB/s。PCIe 4.0 SSD(7 GB/s)はすでにこの範囲を上回っており、Gen 5への移行によるタイムライン再生の伸びは限定的です。

なぜ差が小さいのか

  1. CPU解凍やAPI呼び出しが律速 ─ ストレージ→CPU解凍→GPU VRAM転送という多段処理で、SSD帯域だけでは短縮しきれません。
  2. DirectStorage採用タイトルが少ない ─ 前述のとおり、対応ゲームは全体のごく一部。
  3. プロアプリのI/O要件を既に満たしている ─ Gen 4帯域で8K編集や大量RAW写真現像は実用レベル。

コスト・発熱・互換性

  • 価格差 — 同容量で1.4〜1.8倍
  • 発熱 — Gen 5 SSDはピーク10 W超。ヒートシンク+エアフロー必須。​
  • マザーボード — CPU直結M.2スロットが望ましく、チップセット経由ではGen 4動作に落ちる場合あり。

結論:用途別おすすめ

ゲーマー ロード時間の体感差はごくわずか。Gen 4 SSDで十分。GPUやRAMへの投資が効果的。 クリエイター 4K〜8K編集・RAW写真現像ではGen 4でも帯域余裕。複数同時ストリームや大規模VFXキャッシュで秒単位の短縮を狙うならGen 5を検討。

先行投資・実験用途

DirectStorage対応ゲームを最速で試したい、またはAI/機械学習で連続10 GB/sクラスのシーケンシャル読込が必要なケースはGen 5が有利です。
なお、Intel・Samsung・Kioxiaなどが開発中のPCIe Gen6 SSDや、CXL(Compute Express Link)接続ストレージが2026〜2027年に登場予定であり、今後の業界全体がGen5を短命に終わらせる可能性もあります。将来の拡張性まで考慮するなら、マザーボードの対応状況やPCIe 5.0スロット数も確認しておきましょう。

まとめ

現時点では「ゲームだけならGen 5は趣味の領域」という結論に変わりはありません。

今すぐの速度向上を求めるならGen 4で十分ですが、将来のGen6登場やDirectStorage本格化に備えて投資するという考え方も一理あります。

プロ用途で秒単位の短縮を積み重ねたいユーザーや、次世代DirectStorage環境を見据えた先行投資としては確かに魅力があります。
コスト・発熱・互換性を天秤にかけ、あなたのワークロードに最適なストレージを選びましょう。

PCパーツ・周辺機器に関する記事一覧

コメント

タイトルとURLをコピーしました