
クラウンアスリートとロイヤルの違いを比較|乗り心地・性能・価格まで徹底解説
トヨタのクラウンは、日本の高級セダンを代表するモデルとして長い歴史を誇ります。その中でも「アスリート(Athlete)」と「ロイヤル(Royal / ロイヤルサルーン)」は、同じクラウンながら走行性能やコンセプトが大きく異なるため、どちらを選ぶべきか迷う方が少なくありません。
本記事では、クラウンアスリートとロイヤルの特性、各世代(200系・210系・18系・17系)の特徴、ハイブリッドやマジェスタとの比較、前期・後期モデルでの変更点などを詳しく紹介します。歴史や名称の由来までカバーしますので、購入を検討されている方やクラウンに興味のある方はぜひご覧ください。
クラウンアスリートとロイヤルの大きな違い
クラウンを語るうえで、まず押さえておきたいのがアスリートとロイヤル(またはロイヤルサルーン)の立ち位置の違いです。
- アスリート(Athlete)
- スポーティな走りを重視
- サスペンションや足回りが硬め
- ハンドリングや制動力を高めるため、大径ブレーキや18インチタイヤを採用する傾向
- エクステリアに専用エアロやメッシュグリルを用い、アグレッシブなデザイン
- ロイヤル(Royal / ロイヤルサルーン)
- 快適性と高級感を重視
- サスペンションを柔らかめにセッティングし、段差や路面の凹凸を優しく吸収
- 静粛性が高く、長時間の移動でも疲れにくい乗り心地
- フロントグリルは横バータイプなど、落ち着きのあるデザインが多い
「走りの楽しさ」を最優先するならアスリート、「上質でゆったりした移動空間」を重視するならロイヤル系を選ぶというのが大きな基準になるでしょう。
世代ごとの特徴
200系(2008年~2012年)
2008年登場の200系クラウンは、アスリートとロイヤルの性格がより明確に分かれた世代です。
- アスリート(200系)
- フロントグリルはメッシュパターン
- エンジンは2.5L V6(215PS / 4GR-FSE)と、3.5L V6(315PS / 2GR-FSE)
- 18インチホイールを標準装備し、足回りもスポーティにチューニング
- 加速性能を重視し、高速域での制動力も強化
- ロイヤル(200系)
- フロントグリルは横バー状で落ち着いた外観
- 2.5L V6(215PS)や3.0L V6(256PS)などを搭載
- 16インチ/17インチホイールを採用し、柔らかい乗り心地にこだわる
- 上質な空間とスムーズな加速特性を備え、ビジネスやファミリーユースに好評
210系(2012年~2018年)
210系クラウンは200系よりさらに洗練され、エクステリアも大胆に進化しました。なお、この世代ではエンジンバリエーションが豊富で、従来のV6だけでなく、ダウンサイジングターボやハイブリッドにも注力した点が大きな特徴です。
- アスリート(210系)
- フロントグリルがブラックメッシュデザインに
- エンジンは3.5L V6をはじめ、2.0L直4ターボ(8AR-FTS)を採用する「アスリートS-T」も設定
- この2.0Lターボはダウンサイジングの先駆けとして注目され、高い環境性能と十分な加速力を両立
- ハイブリッドモデルも展開され、スポーティな制御で走りの楽しさを重視
- サスペンションはダンパーを強化し、ハンドリングをシャープに
- ロイヤル(210系)
- シンプルかつ高級感ある横バータイプのフロントグリル
- 2.5L V6(4GR-FSE)などを搭載するモデルや、ハイブリッド(2.5L直4+モーター)を設定
- 燃費性能や静粛性を高めるチューニングが施され、穏やかで上質な乗り味を実現
18系(2003年~2008年)と17系(1999年~2003年)
18系・17系はいずれも高級セダンとして評価が高く、アスリートとロイヤルの性格がこの頃からより明確になってきたといえます。
- 18系
- アスリートは専用メッシュグリルや18インチタイヤ装備でスポーティさを強調
- ロイヤルは横バーグリルに加え、シートやサスペンションも快適性を重視
- エンジンは2.5L・3.0L・3.5L V6などを展開し、アスリートはパワー重視・ロイヤルは静粛性重視
- 17系
- アスリートとロイヤルの見た目差はまだ少なめだったが、走りの方向性は同様
- アスリートにはスポーツエアロや専用装備を用意し、若々しい印象が特徴
- ロイヤルは法人向け需要も多く、品格あるデザインが人気
グレードごとの価格差
クラウンのアスリートとロイヤルは、同じ排気量や年式でも装備やチューニングの違いで価格帯が変わります。
- 一般的にアスリートのほうが若干高め(スポーツ装備の人気ゆえ)
- ロイヤルは法人需要があるため、中古車市場でも比較的安定した価格傾向
- 特別仕様車(Gパッケージやプレミアムエディションなど)は数十万円単位で高くなる場合も
210系の新車価格帯を例にすると、
- アスリート:新車時 400万~600万円程度(最上級「アスリートG」などは700万円超えのグレードも存在)
- ロイヤル:新車時 380万~550万円程度
いずれも装備やモデル年式、ハイブリッドの有無などで価格帯は大きく変動します。また中古車市場では年式や走行距離、修復歴の有無などで幅があり、アスリートは根強い人気からやや割高になることが多いです。
前期・後期モデルで変わるポイント
クラウンは各世代の途中でマイナーチェンジ(フェイスリフト)が行われ、前期・後期で外観や装備が変更されることが一般的です。
- デザインの変更
フロントグリルやバンパー形状、ライト類の意匠などが変わり、後期型でより迫力あるフェイスに仕上がることも多いです。 - 装備追加・安全性向上
衝突被害軽減ブレーキやレーンキープアシストなどの先進安全装備が後期型で採用されるケースが多く、インフォテインメントシステムの進化も期待できます。 - エンジン制御やサスペンションの改良
燃費向上や乗り心地の洗練が図られることがあり、後期型のほうが洗練されている場合が多いです。
購入を検討する際は「前期と後期のどちらが好みか」「追加された装備や安全機能が必要か」をよくチェックするのがおすすめです。
マジェスタとの違い

クラウンには「マジェスタ(Majesta)」という、さらに高級路線を徹底したモデルも存在します。法人の重役車やVIP向けなど、より上質な移動空間を求める層に支持されてきました。
- エンジン
- 200系までは4.3Lや4.6LなどのV8エンジンを搭載し、圧倒的トルクと静粛性を実現
- 210系では3.5L V6ハイブリッドに移行し、燃費性能とパフォーマンスをバランス
- 足回り
- エアサスペンションを採用し、極上の乗り心地を提供
- 内装
- 最高級の本革・ウッドパネルをふんだんに使用
- 後部座席の快適性にこだわり、リクライニングやエンターテインメント装備も充実
要するに、マジェスタはロイヤルやアスリートよりもさらにラグジュアリー性を高めたクラウンの最上級グレードという位置づけです。
アスリートS-Tとは?
アスリートには「S-T(エスティー)」という派生グレードがあり、よりスポーツ性能を意識したモデルとして注目されます。
- 2.0L直噴ターボ(8AR-FTS)
- ダウンサイジングながら十分なパワーと燃費性能を両立
- ターボらしい厚みのあるトルクで、街乗りから高速域まで扱いやすい
- スポーツチューニング
- サスペンションの減衰力アップやトランスミッション制御の最適化で、キビキビとした走りが楽しめる
- エクステリア・インテリア
- アスリート独自のメッシュグリルや内装デザインを採用し、よりアグレッシブな印象
「ロイヤルサルーン」の名前の意味と由来

- 「ロイヤル(Royal)」:王室や貴族のような格式高いイメージ
- 「サルーン(Saloon)」:広々とした空間をもつ車や大広間
つまり、ロイヤルサルーンは「贅沢でゆったりとした空間を持つ高級車」というニュアンスを体現。柔らかい乗り心地や豪華な内装が特徴で、まさに“移動するラウンジ”といえるコンセプトです。
ハイブリッドモデルの特徴
クラウンのハイブリッド車は、エコカー減税の対象となる場合が多く、低燃費と静粛性を同時に実現しているのが魅力です。
- 2.5L直4ハイブリッド(アスリート/ロイヤル)
- システム出力は控えめな反面、街乗り燃費に優れる
- 静かなエンジン音と低振動で、快適性が高い
- 3.5L V6ハイブリッド(マジェスタ、アスリートGなど)
- ハイパワーと低燃費を両立し、高速道路や長距離巡航でも余裕のある走り
- 高級グレードでは価格が700万円超えになる場合あり
ただし、実際には標準グレードのハイブリッドなら500~600万円台で収まるものも多く、「最上級グレードだと700万円を超えるケースもある」程度に抑えて考えるとよいでしょう。
用途別に見るおすすめグレード
- 快適性を最優先 → ロイヤル系
- 静粛性とソフトな乗り心地が魅力
- 後部座席も広く、家族利用や送迎にも向く
- 運転をとことん楽しみたい → アスリート系
- スポーティなサスペンションとエンジン出力が魅力
- ワインディングや高速走行を積極的に楽しみたい方におすすめ
- さらなる上質感 → マジェスタ
- エアサスや豪華な内装で最高級の移動空間
- 法人の重役車やVIP向けとしても人気
- 燃費や維持費を抑えたい → ハイブリッド
- 税制優遇や低燃費が魅力
- 街乗りでもコストを抑えたい方に最適
クラウンロイヤルとマジェスタの違いとは?グレード・乗り心地・装備を徹底比較!
中古車選びのポイント
クラウンは中古市場でも人気が高く、選択肢が豊富です。ただし、グレードや装備、走行距離などで価格が大きく変動するため、購入前のチェックが重要です。
- 年式と走行距離
- 過走行車は足回りやエンジン周辺のメンテナンスが必要な場合が多い
- 修復歴の有無
- 修復歴車は相場より安く買えるが、しっかり整備されているかを確認
- ハイブリッドバッテリーの状態
- 走行距離の多いハイブリッド車はバッテリーの劣化に注意
- 前オーナーのメンテナンス履歴
- 定期点検やオイル交換が適切に行われているかで車の寿命が変わる
まとめ
クラウンアスリートとロイヤルの違いは、一言で言えば「スポーティさ」と「快適性」のどちらを優先するかに集約されます。
- アスリート:硬めのサスペンション・高出力エンジン・スポーティな外観
- ロイヤル:柔らかめのサスペンション・静粛性重視・落ち着いたデザイン
また、各世代ごとに細かな仕様変更があり、前期・後期では外観や装備、安全機能が異なるため、購入時はよく比較検討しましょう。さらに、マジェスタという最上級グレードやハイブリッドモデルなど、クラウンの選択肢は多彩です。
「王冠」を意味する “Crown” の名を受け継ぐトヨタクラウンは、高級セダンとしての伝統を守りつつ、時代のニーズに合わせて進化を続けてきました。本記事を参考に、あなたの用途や好みに最適なクラウンを見つけて、充実したカーライフをお楽しみください。
さらに知りたい方へ:燃費データや近年のモデルについて
- 近年(2018年以降)登場したモデルは安全装備やコネクティッドサービスが充実し、さらに洗練された走りを実現しています。
- 燃費はハイブリッド車でカタログ値リッター20km前後(市街地での実燃費は15km/L前後の例も)など、時代ごとに大幅な向上が見られます。
- ユーザーレビューでは「長距離運転でも疲れにくい」「ハイブリッドでも充分な加速力」「中古でも高級感が損なわれない」など、クラウンならではの評価が数多く見受けられます。
こういった情報も踏まえると、より納得のいく1台を選べるはずです。ぜひディーラーや中古車販売店などで実際に試乗し、体感してみることをおすすめします。
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