
クラウンとセルシオの違いを徹底比較!価格・乗り心地・維持費の差とは?
「国産高級セダン」として多くのファンを魅了してきたクラウンとセルシオ。どちらもトヨタの名門モデルとして知られていますが、実は開発コンセプトや価格帯、乗り心地などに大きな違いがあります。本記事では、それぞれの魅力や特徴を踏まえながら、選び方のポイントを詳しく解説していきます。
歴史と役割の違い
クラウン:長きにわたり国内需要をけん引するフラッグシップ
1955年に登場したクラウンは、「日本を代表する高級セダン」として常に第一線で進化を続けてきました。伝統を守りつつも、スポーティ路線のグレードやハイブリッド仕様など、多彩なモデルを展開。
近年(16代目以降)はSUVやクロスオーバースタイルにも挑戦するなど、「クラウン」ブランドそのものを多様化させています。
セルシオ:世界基準の静粛性を追求した最高級サルーン
一方、セルシオは1989年に誕生し、北米など海外市場では「レクサスLS」として高い評価を得たモデル。静粛性や快適性を極限まで磨くべく、V8エンジンやエアサスペンションを積極的に導入しました。
2006年にはセルシオの名が消え、日本国内ではレクサスLSへ完全移行。その後はセルシオ自体の新モデルは登場していませんが、その上質な乗り味を惜しむファンの声は今なお根強いです。
価格帯とグレードの選択肢
クラウン:グレードやボディタイプで大きく異なる価格
- 現行モデル(16代目)
クロスオーバースタイルが中心で、新車価格はおよそ 730万円~830万円 が目安。 - 従来のセダン型(14~15代目、2012年〜2022年頃)
新車時は 500万円台中心 で、装備や仕様によっては600万円台にも達する設定でした。
中古車市場では流通台数が多く、幅広い価格帯で選べるのが強み。新型が出るたびに旧型が手頃になるため、グレードや年式・走行距離で比較検討しやすい点も魅力です。
セルシオ:生産終了モデルゆえ中古相場は二極化
- 新車価格(当時)
約593万~1029万円と幅広い設定でしたが、すでに生産・販売が終了しているため、現在は中古車のみ。 - 中古車相場
走行距離や車両状態により価格は大きく異なります。低走行や最終型(UCF31後期)は高値がつきやすく、200万円を超えるプレミア価格になる場合も。一方、走行距離が多い個体や内外装に傷みがある車両は50万円以下も珍しくありません。
乗り心地と静粛性の比較
クラウン:安定感と適度なスポーティさ
- ハイブリッド技術 を活かした低燃費かつ静粛性の高い走り
- 電子制御サスペンションにより、長距離ドライブでも疲れにくい
- 一部グレードは走りの楽しさを重視し、ステアリングレスポンスが軽快
セルシオ:究極の静粛性とフラットな乗り味
- V8エンジンとエアサスペンション を組み合わせ、ふわりとした上質な乗り心地
- 厚みのあるガラスや遮音材を惜しみなく投入し、ロードノイズや風切り音を徹底的に抑制
- 高速クルージング時の快適性はクラウン以上との声も多い
維持費・燃費・メンテナンス
項目 | クラウン(現行・セダン型) | セルシオ(最終型UCF31) |
---|---|---|
新車価格帯 | 約500万~830万円 | 約593万~1029万円(当時) |
中古車価格帯 | 約50万~700万円前後 | 約50万~250万円前後 |
エンジン種類 | 直4 / V6 / ハイブリッド | V8(4.0L / 4.3L) |
燃費(目安) | 12~18km/L | 8~9km/L |
サイズ(全長×全幅) | 4,690~5,030mm × 1,695~1,890mm | 4,995~5,015mm × 1,820~1,830mm |
特徴 | 現行車種あり、選択肢豊富 | 生産終了モデル、静粛性が魅力 |
燃費と税金
- クラウン
排気量2.0L~3.5L(ハイブリッド含む)が中心。燃費は12~18km/L程度と優秀で、自動車税もセルシオほど高額にはならない傾向があります。 - セルシオ
V8エンジン(4.0L~4.3L)が主流のため、燃費は8~9km/L程度と低め。排気量による自動車税も高く、燃料コストがかさみがちです。
メンテナンスや修理費用
- クラウン
現行モデルはディーラー整備体制が充実。ハイブリッドバッテリー交換など特有の出費が発生する可能性はありますが、部品も比較的入手しやすいです。 - セルシオ
生産終了から時間が経っており、純正部品の在庫が少ない場合も。故障時に社外品や流用パーツで対処することも多く、メンテナンス費用が高額化しやすい点に注意が必要です。
外観やボディサイズでの見分け方

ボディの大きさ
- クラウン:全長4,690mm~5,030mm、全幅1,695mm~1,890mm
- セルシオ:全長4,995mm~5,015mm、全幅1,820mm~1,830mm
全幅の違いが顕著で、セルシオはワイドボディ。車内空間もゆったりしており、後部座席の広さで選ぶならセルシオが優勢です。
デザインの特徴
- クラウン:代々変化しながらも、王冠エンブレムが象徴的。グレードによってはスポーティなフロントグリルも。
- セルシオ:レクサスLSに近いシャープなフロントマスクが特徴的。リアに「CELSIOR」ロゴが入るのも大きな違い。
クラウンマジェスタやゼロクラウンとの関係
クラウンマジェスタ:クラウンとセルシオの中間的ポジション
かつてはV8エンジンを搭載し、サイズ感もセルシオ寄りながら、クラウンの系譜に属するモデルとして存在感を放っていました。しかし、近年は廃止され、クラウンの上級グレードがその役割を担う形になっています。
ゼロクラウン(12代目)
2003年発売の12代目クラウン(通称ゼロクラウン)は、従来のイメージを一新したスポーティなモデル。セルシオとは真逆の方向性で、「走りの質感」を重視した設計でした。価格帯も300万~500万円台が中心で、セルシオの超高級路線とは明確な差別化が図られていました。
セルシオはなぜカスタムで人気だったのか?
セルシオは高級車としての威厳と迫力あるボディサイズを持ち、中古で手の届く価格帯に落ちてきたタイミングで、一部の改造志向ユーザーから強い支持を集めました。
- VIPカスタム:車高調整や大径ホイールの装着、フルエアロなど
- 内装の豪華さ:初期状態で木目調パネルや本革シートを採用しており、高級感のあるドレスアップが映える
こうした要素が重なり、セルシオは「カスタムベース車」としての人気を獲得したと考えられます。
セルシオ復活の可能性は?
2006年以降はレクサスLSへ完全移行しており、セルシオの名が復活する見込みは低いとされています。ただし、トヨタは近年、クラウンブランドの新展開を図ったように、伝統ある名称を意外な形で復活させる事例もあります。
EV高級車として「セルシオ」の名を再度冠するかどうかは未知数ですが、ファンの間では「いつか帰ってきてほしい」との声が絶えないのも事実です。
中古車選びのポイント
クラウン
- メリット:流通台数が多く、年式や走行距離、価格帯の選択肢が豊富
- チェックポイント:ハイブリッドバッテリーの状態や電子制御システムの正常性を確認
セルシオ
- メリット:V8エンジンの余裕ある走りと極上の静粛性。豪華な内外装
- チェックポイント:故障時の部品コストや修理費用。カスタム履歴(社外パーツ装着など)も要確認
購入前に確認しておきたいチェックリスト
- 年式・グレード・走行距離のバランスが取れているか
- 定期点検記録簿や整備履歴は残っているか
- ハイブリッド車ならバッテリーの劣化状況を確認
- セルシオの場合、足回り(エアサス)の状態を重点チェック
- エアコン・ナビ・電子装備に不具合がないか
- カスタム歴(社外パーツや加工)がある場合は詳細を確認
- 鍵や純正部品などが揃っているか(欠品の有無)
- 信頼できる販売店・整備工場と提携しているか
特にセルシオは部品価格や修理代が高めです。購入時価格だけでなく、維持費も含めた総予算を事前に設定しておくのが賢明です。
【Q&A形式】どっちを選ぶ?あなたの用途別ガイド
Q1. 通勤メインで使うならどっち?
- クラウンがおすすめ
燃費の良いハイブリッドグレードが多く、取り回しやすいサイズ感。維持費もセルシオより抑えやすいです。
Q2. 家族みんなで快適に移動したい
- セルシオも魅力的
広い車内と静粛性は長距離ドライブを快適にしてくれます。ただし中古車の場合、整備費用は要チェック。
Q3. 走りの楽しみを味わいたい
- クラウン(RS系などスポーツ志向グレード)
ハンドリング性能や加速感を高めたモデルが豊富。セルシオほどふわりとした乗り心地ではないものの、安定感がありつつドライビングの愉しさも得やすいです。
Q4. コストを重視しつつも高級感がほしい
- 比較的安価なセダン型クラウンの中古車
セルシオの部品代・燃費を考慮すると、トータルではクラウンの方が出費を抑えやすいでしょう。
Q5. セルシオの「極上感」に惹かれるが、維持費が心配…
- 中古車の状態や整備履歴を確認し、余裕のある予算を組むのが賢明。故障リスクに備えて整備工場のアテも確保しておきましょう。
クラウンとレクサスの違いを徹底比較:価格・装備・乗り心地・ブランド価値まで解説
まとめ:クラウンとセルシオ、どちらが自分に合う?
- クラウン
- 都市部での使い勝手や、最新技術を搭載したハイブリッドによる経済性を重視するなら最適。
- 多彩なグレードや年式が選べ、ディーラーでの整備も受けやすい。
- セルシオ
- V8エンジンとエアサスがもたらす圧倒的な静粛性・上質感を求める人におすすめ。
- 維持費がかさみやすい反面、「最高級サルーンの味」を手頃な価格で味わえる可能性もある。
重視するポイント | おすすめ車種 | 理由 |
---|---|---|
維持費・燃費 | クラウン | ハイブリッド中心で燃費が良く、税金も安め |
静粛性・快適性 | セルシオ | V8+エアサスによる極上の乗り心地 |
スポーティな走り | クラウン RS系 | 軽快なハンドリングと加速感 |
高級感とコスパの両立 | セダン型クラウン中古 | 中古価格が手頃で装備も充実 |
ステータス・迫力 | セルシオ | 重厚なデザインとVIPカスタムの人気 |
いずれのモデルも、高級セダンならではの快適さと質感を楽しめる点が魅力です。購入前には試乗や実車のチェックを欠かさず行い、走りのテイストや車両状態をしっかり見極めてください。ぜひ、本記事の比較ポイントやQ&Aを参考に、あなたにぴったりの一台を見つけてくださいね。
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