
パソコンのファンがうるさい原因と静音化対策【簡単チェック&掃除で解決】
パソコンのファンが突然うるさくなると、不安になりますよね。原因は高負荷やホコリ、経年劣化などさまざまです。この記事では、ファン音が大きくなる主な理由と、誰でもできる静音化のための具体的な対策(温度確認・ホコリ掃除・ファン制御)をわかりやすく解説します。
あくまでも参考としてまとめていますので、操作においては自己責任でお願いします。分からない設定や不安要素がある操作は無理には行わず、ハードルが低いものから試すと無難です。
パソコンのファンがうるさい主な原因
ファン音が大きくなる背景には、下記のような要因が考えられます。
- CPUやGPUの発熱
処理負荷が高い作業(動画編集やゲームなど)を行っていると、CPUやGPUの使用率が上がり、温度が高くなります。そのため、冷却を強化するためにファンが高速回転し、動作音が大きくなることがあります。 - ホコリの蓄積
パソコン内部にホコリがたまると、熱が放出されにくくなります。その結果、冷却ファンが常に高回転し、動作音が大きくなることがあります。また、ホコリによってファンの羽根が偏り、異音が発生することもあります。 - 室温や通気性の悪さ
パソコンを置いている部屋が高温であったり、パソコン周辺の通気性が悪かったりすると冷却がうまくできず、ファンの回転数が上がりやすくなります。 - ファンの経年劣化・サーマルペーストの劣化
長期間使用しているファンはベアリングなどが劣化し、動作音が増大する場合があります。また、CPUやGPUとクーラーの間に塗布されているサーマルペーストも経年劣化するため、熱伝導効率が低下し、ファンの回転数が上がる原因になることがあります。
CPU温度の確認方法
まずはパソコンのファンがうるさい原因が「高温」なのかを確かめるために、CPU温度をチェックしましょう。
- BIOS / UEFI 画面での確認
パソコン起動時に「Del」キーや「F2」キーなど(メーカーによって異なる)を押すことで、BIOSやUEFIの設定画面に入れます。そこにCPU温度をモニタリングできる項目がある場合があります。 - ソフトウェアでの確認
- HWMonitor(CPUID)
無料で利用できるツールで、CPUやGPUなどの温度をリアルタイムで確認できます。 - SpeedFan
ファン制御機能もある有名なツールですが、近年はアップデートが行われていないため、新しいマザーボードでは正常に制御できないケースがあります。 - 各マザーボードメーカーが提供するユーティリティ
マザーボードメーカー公式のモニタリングソフトウェア(ASUSの「AI Suite」、MSIの「Dragon Center」など)を使うと比較的安定して温度を確認できます。
- HWMonitor(CPUID)
CPU温度は、アイドル時(何も作業していないとき)でおおむね30~50℃、高負荷時でも70~80℃程度まで収まっていれば一般的には問題ないと考えられます。ただし、高負荷時でも常に90℃前後に達している場合は、冷却不足の可能性が高いです。
ホコリ掃除でファンを静音化
デスクトップパソコンの場合
デスクトップPCはケースが大きく、パーツへのアクセスがしやすいため、定期的なホコリ掃除を行うことで冷却効果を高められます。ホコリ掃除の際は以下に注意しましょう。
- 安全対策
- パソコンの電源を切り、コンセントを抜いてから作業を行います。
- ケースを開ける際は、静電気対策(手首にリストバンドを装着する、金属部分に触れて静電気を逃がすなど)を行うと安心です。
- エアダスターでホコリを吹き飛ばす
- エアダスターを使い、ファンやヒートシンクなどにたまったホコリを飛ばします。
- ファンの羽根が高速回転しないよう、つまむなどして回転を抑えながら作業しましょう。
- ブラシや綿棒の活用
- エアダスターだけでは取れないホコリは、ブラシや綿棒で優しく取り除きます。
- 基板やコネクタ部分は繊細なので、傷つけないよう丁寧に行います。
ノートパソコンの場合
ノートパソコンは内部構造が狭く、パーツが密集しています。そのため、分解が難しい場合が多いという点がデスクトップとの大きな違いです。
- メーカーの公式マニュアルを確認
ノートPCは機種によって分解手順が大きく異なります。メーカー公式のマニュアルやサポート情報を確認し、自己判断での分解が困難な場合は無理をしないようにしましょう。 - エアダスターで排気口を中心に掃除
ノートPCは排気口にホコリが詰まりやすいです。排気口付近にエアダスターを当て、内部にたまったホコリを吹き飛ばすだけでも効果がある場合があります。 - 専門業者への相談も検討
分解・清掃が難しいノートPCの場合、専門業者に依頼して内部清掃をしてもらうのもひとつの手段です。費用はかかりますが、確実に内部のホコリを除去できるメリットがあります。
ファン制御ソフトの活用
ホコリ掃除を行ってもファンがうるさい場合や、特定の温度帯でファン回転数を調整したい場合には、ファン制御ソフトの利用を検討します。
- SpeedFan
昔からある無料ツールで、CPU温度やHDD温度を監視しながらファンの回転数を自動・手動で調整できます。しかし、近年アップデートが行われていないため、新しいマザーボードでは正常に動作しない場合がある点には注意が必要です。 - 各マザーボードメーカーの公式ソフト
- ASUS:AI Suite
CPUファンやシステムファンの回転数を細かく設定できます。 - MSI:Dragon Center(旧 Command Center)
同様にファンの回転数を調整できる機能を備えています。 - Gigabyte:EasyTune
Windows上からBIOS設定を一部変更できるユーティリティで、ファン制御にも対応している場合があります。
- ASUS:AI Suite
- 注意点
- 手動でファン回転数を下げすぎると、冷却不足を招いてCPU温度が上がるリスクがあります。
- 高負荷時の温度変化をモニタリングしながら、動作の安定性と騒音のバランスを考えて設定しましょう。
その他の静音化・温度対策
- サーマルペーストの劣化と交換
CPUやGPUとクーラーの間にあるサーマルペーストは、長期間の使用や高温環境によって乾燥や劣化が進みます。結果として熱伝導効率が低下し、CPU温度が高くなりやすくなります。- 交換の目安:一般的には数年ごとの交換を推奨するケースが多いですが、環境や使用状況によって異なります。
- 交換方法:CPUクーラーを外し、古いペーストをきれいに拭き取ってから、新しいペーストを適量塗布します。塗りすぎると逆効果になるので注意が必要です。
なお、サーマルペーストには「グリス型」や「液体金属型」などがありますが、初心者の方にはグリス型(例:ARCTIC MX-4、Noctua NT-H1など)がおすすめです。扱いやすく、導電性もないためトラブルのリスクが少ないです。 - ノートパソコンの場合は分解が難しいため、専門業者や修理サービスを利用するのが無難です。
- 室温・通気性の確保
周囲の温度が高かったり、パソコンの排気口をふさぐような物が近くにあったりすると、冷却効率が悪化します。エアコンや換気、パソコンの設置場所に気を配り、通気性を高めましょう。 - ファン自体の交換・追加(主にデスクトップPC)
- 静音性の高いファンに交換したり、冷却性能の優れたCPUクーラーを導入したりする方法も有効です。
- ケース内のエアフローを改善するために、吸気ファン(前面・底面)と排気ファン(背面・上部)のバランスや風の流れを意識して配置を見直しましょう。内部のケーブル類が風の流れを妨げないように整理することで、より効率的に熱を排出できます。
- ソフトウェア管理で高負荷を抑える
Windowsの「タスクマネージャー」などを使い、不要なアプリやプロセスがCPUを占有していないか確認し、負荷の高いプロセスがあれば終了・アンインストールを検討します。 - 異常な高温状態が続く場合は専門家に相談
清掃やファン制御ソフトの活用、サーマルペーストの交換などを試しても極端な高温状態が改善しない場合は、マザーボードや電源ユニットなど他のハードウェアに原因がある可能性があります。こうしたケースでは、メーカーサポートや専門業者に相談して精密検査を行うのが安全です。
まとめ
パソコンのファンがうるさくなる原因としては、CPUやGPUの過度な発熱、ホコリの蓄積、室温・通気性の悪さ、ファン・サーマルペーストの経年劣化などが挙げられます。まずはCPU温度を確認し、ホコリ掃除を徹底するとともに、必要に応じてファン制御ソフトやサーマルペーストの交換を検討しましょう。
- ノートパソコンは構造的に分解が難しいため、ホコリ掃除も専門業者を活用するのが安全な場合があります。
- デスクトップパソコンはパーツ交換やファンの増設が比較的容易です。必要に応じてファンの交換・追加、ケース変更などを検討することで、静音化と冷却性能の向上を両立できます。
- それでも異常な高温状態が続く場合は、専門家に相談し、他のハードウェアの不具合を疑うことも視野に入れましょう。
このようにパソコンの状態や使用環境を見直すことで、ファンの騒音を軽減し、より快適にパソコンを利用できるようになります。定期的なメンテナンスと適切な冷却対策が、長く安定してパソコンを使うための大切なポイントです。
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