
Windowsの「ブルースクリーン」が頻発する原因と解決策
Windowsのブルースクリーン(BSoD)は突然発生し、原因が分からず困ることも少なくありません。この記事では、STOPコードの読み方や、頻発する原因と具体的な対処法を分かりやすく解説します。
あくまでも参考としてまとめていますので、操作においては自己責任でお願いします。分からない設定や不安要素がある操作は無理には行わず、ハードルが低いものから試すと無難です。
ブルースクリーン(STOPエラー)とは?
- ブルースクリーン(BSoD)
Windowsが致命的なエラーを検出した場合、システムを保護するために強制停止するエラー画面です。バックグラウンドでエラー情報(エラーコードやメモリダンプ)を記録し、再起動を促してユーザーにトラブルシューティングのきっかけを与えます。 - STOPコードとは?
ブルースクリーン上で表示される「STOPコード」は、エラー原因を示す重要な手掛かりです。STOPコードは16進数で表示され(例:0x0000007B
)、種類ごとに異なるトラブルを示します。
よくあるSTOPコードと原因一覧
STOPコード | エラー名 | 主な原因 |
---|---|---|
0x0000007B |
INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE | ブートデバイスにアクセスできない。ストレージ故障、接続不良、ブート領域破損など。 |
0x0000001E |
KMODE_EXCEPTION_NOT_HANDLED | カーネルモードで処理できない例外。ドライバやメモリの問題、セキュリティソフトの影響など。 |
0x00000050 |
PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA | 存在しないメモリ領域にアクセス。メモリ不良、ドライババグ、ウイルス対策ソフトとの競合。 |
0x0000003B |
SYSTEM_SERVICE_EXCEPTION | システムサービスの呼び出し中にエラー。グラフィックスドライバやWindows Updateの影響など。 |
※STOPコードはこの限りではありません。発生したコードをもとに、Microsoft公式サポートなどで個別に確認しましょう。
ブルースクリーンが頻発する主な原因
- ハードウェアの不具合
- メモリ(RAM)の故障または接触不良
- ストレージ(HDD/SSD)の故障やケーブルの緩み
- 電源ユニットやグラフィックカードなどの老朽化・物理的トラブル
- ドライバの問題
- 不適切または古いドライバとの互換性問題
- ドライバファイルの破損
- OSやソフトウェアの問題
- Windowsアップデートの失敗やシステムファイル破損
- セキュリティソフトやレジストリ破損による競合
- オーバークロックや電源管理の設定不具合
- CPU・メモリのオーバークロック設定による不安定化
- 電源管理や電圧設定の誤り
主な対策フロー
メモリ(RAM)の確認
- Windows標準のメモリ診断ツール
- 「スタート」メニューから「Windows 管理ツール」→「Windows メモリ診断」を起動。
- 「今すぐ再起動して問題を確認する」を選び、メモリチェックを実行。
- 再起動後に診断結果を確認し、エラーが報告されたらメモリを交換・再装着する。
- 物理的なチェック
- デスクトップの場合は電源を切ってカバーを開け、メモリをスロットから抜き差しして埃を除去。
- 複数枚のメモリがある場合、1枚ずつチェックすると問題箇所の切り分けがしやすい。
ストレージの確認
- ケーブルと接続の確認
デスクトップPCの場合、SATAケーブルや電源ケーブルの緩みを確認。ノートPCは物理確認が難しい場合があるため、専門業者に依頼することも検討。 - ストレージ診断ツールの利用
- Windowsのエラーチェック(CHKDSK)
- エクスプローラーで対象ドライブを右クリック →「プロパティ」
- 「ツール」タブで「エラーチェック」を実行し、自動修復を試みる。
- メーカー公式ツール
SSD/HDDメーカーが提供している診断ソフトを使うことで、より詳細なエラー検知が可能。
- Windowsのエラーチェック(CHKDSK)
- 空き容量の確保
システムドライブの空き容量が不足していると、仮想メモリ確保やアップデートで不具合が起きやすい。余裕をもったディスク容量を保つことが重要。
ドライバ関連の改善策
ドライバ更新を確認する方法
- デバイスマネージャーでのドライバ更新
- 「スタート」を右クリック →「デバイスマネージャー」を選択。
- 各デバイスを右クリック →「ドライバーの更新」を選択。
- 「ドライバーソフトウェアの検索」を実行し、最新版を適用する。
- メーカー提供の公式ドライバを利用
- グラフィックボードやマザーボード、ネットワークアダプタなどは、メーカーサイトの最新版を入手する。
- Windows Updateだけでは最新にならない場合もあるため、公式サイトを定期的に確認すると安心。
- 不要なドライバの削除・無効化
- 長い間使っていない周辺機器や仮想ドライバが競合を引き起こすケースもある。
- デバイスマネージャーで問題のあるドライバを「無効化」したり「アンインストール」したりしてトラブルシュートする。
Windows 10/11の最新機能を活用した対策
自動修復機能と回復オプション
- Windows 10/11の自動修復機能
システムが複数回連続で正常起動しなかった場合、Windowsが自動的に「自動修復」を試みます。- 起動時に「診断中」という画面が表示され、自動修復モードに移行します。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」で「スタートアップ修復」や「システムの復元」などを試すことができます。
- リカバリー環境(WinRE)
起動時にF8キーやShiftキー+再起動などで、Windows回復環境(WinRE)に入ると、以下のツールを利用可能です。- 「スタートアップ修復」:起動に必要なファイルをチェックし、自動で修復を試みる。
- 「システムの復元」:ブルースクリーンが頻発する前の正常時点に復元する。
- 「イメージでシステムを回復」:作成済みのシステムイメージから復旧する。
Windows 10/11の診断ツール
- トラブルシューティング(設定メニュー)
設定 →「更新とセキュリティ」→「トラブルシューティング」で、多数の自動診断ツール(ネットワーク、ハードウェア、Windows Updateなど)を実行できます。 - SFC / DISMコマンドの実行
- 管理者権限で「コマンドプロンプト」または「Windows PowerShell」を開く。
sfc /scannow
でシステムファイルの破損を修復。- 必要に応じて
DISM /Online /Cleanup-image /RestoreHealth
でコンポーネントストアの破損を修復。
その他の対策・チェックポイント
- セーフモードでの起動
セーフモードは最低限のドライバ・サービスのみで起動するため、正常動作するようなら追加で読み込まれるドライバや常駐ソフトに原因がある可能性が高い。 - オーバークロックの解除
CPUやメモリのクロックアップを行っている場合は、BIOS/UEFI設定をデフォルトに戻してテストする。電圧設定の誤りや過度なオーバークロックが不安定化を招く。 - イベントビューアの活用
「イベントビューア」のシステムログを確認し、ブルースクリーン発生直前のエラー情報やドライバ名などを特定する。 - BIOS/UEFIの更新
マザーボードメーカーの公式サイトで最新のBIOS/UEFIを確認する。更新により不安定要因が解決する場合もあるが、アップデートの手順やリスクを理解した上で慎重に行う。 - バックアップの徹底
ブルースクリーンが頻発すると、システム障害でOSが起動不能になるリスクが高まる。外付けHDDやクラウドなどに定期的にバックアップを取得し、大事なデータを守る。
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まとめ
- STOPコードとMicrosoft公式サポートを参照して原因を特定
ブルースクリーンに表示されるSTOPコードをまず確認し、Microsoft公式ドキュメント など信頼性の高い情報源で詳細を調べましょう。 - メモリ・ストレージの物理的/論理的なチェック
メモリ診断やストレージ診断を通じて、不良セクタや接触不良を潰していきます。 - ドライバの更新・削除で競合を減らす
デバイスマネージャーやメーカー公式サイトからドライバを最新化し、不要なドライバは削除・無効化します。 - Windowsの自動修復機能や回復オプションを活用
Windows 10/11には、スタートアップ修復やシステムの復元など自動修復を行うための便利な機能が多く搭載されています。 - オーバークロックやBIOS設定の見直し
システムを安定化させるために、ハードウェアの動作環境を初期化・安定化し、問題を切り分けます。
頻発するブルースクリーンは原因が複雑に絡み合うこともありますが、上記の手順を順に確認することで大半のケースを解決できます。STOPコードの情報や、OS標準の診断機能、自動修復ツールを適切に活用して、根本原因を特定・修正していきましょう。
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