「愛犬には、いつまでも健康で長生きしてほしい」
飼い主さんなら誰もがそう願いますよね。そのために欠かせないのが、毎日の食事であるドッグフードです。
しかし、ペットショップや通販サイトには驚くほど多くのドッグフードが並んでおり、「うちの子にはどれが一番合っているの?」と頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ドッグフードの基本的な選び方から、品質を見極めるためのチェックポイント、よくある疑問まで分かりやすく解説します。この記事を読めば、たくさんの選択肢の中から自信を持って愛犬にぴったりのフードを選べるようになりますよ。
まずは基本から!ドッグフード選びで大切な3つの視点
ドッグフードを選ぶとき、最初に押さえておきたい基本のポイントが3つあります。それは「ライフステージ」「体のサイズ」「健康状態」です。まずはこの3つの視点から、愛犬に合ったフードのカテゴリーを絞り込んでいきましょう。
視点1:年齢(ライフステージ)に合っているか
犬は人間と同じように、成長段階によって必要とする栄養バランスが異なります。大きく分けて「子犬期」「成犬期」「高齢期(シニア期)」の3つのステージがあり、それぞれの時期に合わせたフードを選ぶことが健康維持の第一歩となります。
- 子犬期(〜1歳頃): 体が急成長する最も大切な時期。骨や筋肉を作るための高タンパク・高カロリーな栄養が必要です。「子犬用」「パピー用」と記載されたフードを選びましょう。
- 成犬期(1歳〜): 成長が落ち着き、健康な体を維持するための期間。バランスの取れた栄養素が求められます。活動量に合わせてカロリーを調整し、肥満を防ぐことが大切です。「成犬用」「アダルト用」がこれにあたります。
- 高齢期(シニア期): 運動量が減り、消化機能も少しずつ衰えてきます。シニア期に入る年齢は犬の体の大きさによって異なり、一般的に大型犬は5〜6歳頃、中型犬は7〜8歳頃、小型犬は8〜10歳頃からが目安です。内臓に負担をかけないよう、低カロリーで消化の良い栄養素や、関節・心臓などをケアする成分が配合された「高齢犬用」「シニア用」のフードが適しています。
愛犬の年齢や体のサイズに合わないフードを与えていると、肥満や栄養不足の原因になることも。まずはパッケージの表示を確認し、ライフステージに合ったものを選んであげてください。
視点2:体のサイズ(犬種)を考慮する
犬は犬種によって体の大きさが全く違います。体の大きさによって、顎のサイズや必要なエネルギー量も変わってきます。そのため、多くのドッグフードは「小型犬用」「中型・大型犬用」といったように、体のサイズ別に作られています。
小型犬用のフードは、小さな口でも食べやすいように粒が小さく設計されています。一方、大型犬用は満足感を得られるように粒が大きく、成長期の関節をサポートする成分が強化されていることが多いです。
また、チワワやトイ・プードル、柴犬といった特定の犬種に特化した「犬種別専用フード」もあります。これらは、その犬種がかかりやすい病気や特有の体質を考慮して栄養バランスが調整されています。例えば、皮膚がデリケートな犬種には皮膚の健康をサポートする成分を配合するなど、より愛犬の体にフィットしたケアが期待できるでしょう。
視点3:健康状態やアレルギーの有無
愛犬が特定の食物アレルギーを持っていたり、涙やけや皮膚トラブル、肥満などの悩みを抱えていたりする場合は、それらに配慮したフードを選ぶ必要があります。
例えば、食物アレルギーの原因になりやすいとされる穀物(小麦、とうもろこしなど)を使用しない「グレインフリー」のフードや、アレルギー反応が出にくいタンパク質源(鹿肉、魚など)を使用したフードが選択肢になります。
また、「肥満が気になる子には低脂肪・低カロリーの体重管理用」「関節が心配な子にはグルコサミンやコンドロイチンを配合した関節ケア用」といったように、特定の健康課題に対応する機能性フードもたくさんあります。
ただし、すでに病気の診断を受けている場合は、自己判断でフードを選ぶのではなく、必ず獣医師に相談し、「療法食」を与えるようにしてください。
品質を見極める!原材料表示のチェックポイント4選

フードのカテゴリーを絞り込んだら、次はいよいよ中身の品質チェックです。パッケージの裏にある「原材料表示」を見れば、そのフードがどんな材料で作られているかが分かります。ここでは、特に重要な4つのチェックポイントを解説します。
チェック1:主原料は良質な動物性タンパク質か
原材料表示は、含まれている量が多いものから順番に記載するのがルールです。つまり、最初に書かれているものが、そのフードの主原料ということになります。
犬はもともと肉食に近い雑食動物なので、主原料には良質な動物性タンパク質が使われているのが理想的です。「チキン(鶏肉)」「サーモン」「ラム(子羊肉)」のように、何の肉や魚なのかが具体的に明記されているものを選びましょう。
一方で、「ミートミール」「肉副産物」といった表記には注意が必要です。これらは、何の動物のどの部位が使われているか分からず、品質の低い肉が使われている可能性があります。愛犬の体を作る基本となるタンパク質だからこそ、その品質にはこだわりたいところです。
チェック2:穀物の種類と量をチェック(グレインフリーは必要?)
最近よく耳にする「グレインフリー(穀物不使用)」のフード。穀物は犬にとってアレルギーの原因になりやすいと言われることから、注目を集めています。
しかし、すべての犬が穀物アレルギーというわけではありません。アレルギーでない犬にとっては、玄米や大麦などの良質な穀物はエネルギー源となります。大切なのは、どんな穀物が、どのくらい使われているかです。
注意したいのは、主原料の次あたりに小麦やとうもろこし、大豆といった穀物が記載されているケース。これは、肉の量を減らして穀物でかさ増ししている可能性があります。
一方で、近年、グレインフリーフードと犬の拡張型心筋症(DCM)との関連性も指摘されています。特に、主原料として豆類(エンドウ豆、レンズ豆など)やジャガイモを多く使用しているフードとの関連がFDA(アメリカ食品医薬品局)によって調査されており、まだ結論は出ていませんが、こうした情報もフード選びの参考にするとよいでしょう。アレルギーが心配な場合やフードを見直す際は、獣医師に相談することをおすすめします。
チェック3:粗悪な添加物が使われていないか
ドッグフードの品質を保つために、酸化防止剤や保存料などの添加物が使われることがあります。しかし、中には犬の健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されているものも存在します。
特に注意したいのは、BHA、BHT、エトキシキンといった合成酸化防止剤や、赤色〇号、青色〇号などの合成着色料です。これらは発がん性などが疑われており、避けるべき添加物と言えます。
安全なフードを選びたいなら、酸化防止剤には「ミックストコフェロール(ビタミンE)」や「ローズマリー抽出物」といった天然由来の成分が使われているものを選びましょう。また、犬は食べ物の色で美味しさを判断しないため、そもそも着色料は不要です。カラフルな見た目のフードは避けるのが賢明でしょう。
チェック4:フードの目的を理解する(総合栄養食と一般食)
ドッグフードには、その目的によっていくつかの種類があります。パッケージに必ず記載されているので、しっかり確認しましょう。
フードの種類 | 目的と特徴 |
---|---|
総合栄養食 | そのフードと水だけで、犬が必要とする栄養素をすべて摂取できるように作られた「主食」。AAFCO(米国飼料検査官協会)などの厳しい栄養基準をクリアしています。毎日のごはんには、必ずこの「総合栄養食」を選んでください。 |
一般食 | いわゆる「おかず」や「おやつ」にあたるフード。特定の食材(肉や魚など)をメインに作られており、嗜好性が高いのが特徴です。栄養バランスは考慮されていないため、これだけを与え続けると栄養が偏ってしまいます。総合栄養食へのトッピングや、ご褒美として使いましょう。 |
療法食 | 特定の病気や健康状態を管理するために、獣医師の指導のもとで与える特別な食事です。栄養成分が厳しく調整されており、自己判断で与えるのは危険です。必ず動物病院で処方してもらってください。 |
うっかり一般食を主食として与えてしまうと、愛犬が栄養失調になってしまう恐れも。パッケージの「総合栄養食」という表記を必ず確認する習慣をつけましょう。
ドッグフード選びのよくある質問Q&A
最後に、飼い主さんからよく寄せられるドッグフードに関する質問にお答えします。
- Q国産と海外産、どちらのフードがいいの?
- A
「国産」と聞くと安心なイメージがありますが、一概に「国産だから良い」「海外産だから悪い」とは言えません。大切なのは、そのフードがどんな品質基準で作られているかです。
日本では「ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)」により、有害物質の基準値や添加物の表示ルールなどが定められています。これにより、国内で製造・販売されるペットフードの安全性は一定レベルで確保されています。
一方、ペットフード先進国であるアメリカやヨーロッパでは、AAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準を満たすことが一般的であり、さらに厳しい独自の品質基準を設けているメーカーも少なくありません。ヒューマングレード(人間が食べられる品質)の原材料にこだわったり、第三者機関による監査を受けたりと、その品質管理は多岐にわたります。
原産国だけで判断せず、それぞれの国の基準を理解した上で、原材料や製造方法など、この記事で解説したチェックポイントをしっかり確認することが重要です。
- Q「無添加」と書いてあれば安全?
- A
「無添加」という言葉も安心感がありますが、何が「無添加」なのかをしっかり確認する必要があります。
実は、「無添加」という表示には法的に統一された明確な定義がありません。「香料無添加」なだけで他の合成添加物は使われているのに「無添加」と表記しているケースもあります。
ただし、日本ではペットフード公正取引協議会が定める規約により、消費者に誤解を与えないよう「着色料無添加」「保存料無添加」のように、何が無添加なのかを具体的に表示することが推奨されています。
本当に安全なフードを選びたいなら、「無添加」という言葉だけに惑わされず、原材料表示を隅々までチェックして、「具体的に何が使われていないのか」を自分の目で確かめることが大切です。
- Qフードを切り替えるときの注意点は?
- A
新しいフードに切り替える際は、犬のお腹がびっくりしないように、1週間〜10日ほどかけてゆっくり行うのが基本です。
- 1〜2日目: 今までのフード9割に対し、新しいフードを1割混ぜて与える。
- 3〜4日目: 今までのフード7割に対し、新しいフードを3割に増やす。
- 5〜6日目: 両方を半々で混ぜて与える。
- 7〜8日目: 今までのフード3割に対し、新しいフードを7割にする。
- 9〜10日目: 新しいフードを10割にする。
このように少しずつ割合を増やしていくことで、消化器官への負担を減らすことができます。切り替えの途中でお腹が緩くなったり、吐いたりした場合は、一度前の割合に戻して様子を見て、それでも改善しない場合は獣医師に相談しましょう。
まとめ:最高のドッグフードは「愛犬が健康でいられるフード」
たくさんの情報をお伝えしましたが、最も大切なのは「そのフードを食べた愛犬が、元気で健康な状態を維持できるか」ということです。どんなに評判の良い高級なフードでも、愛犬の体に合わなければ意味がありません。
新しいフードを試す際は、便の状態(硬すぎず、柔らかすぎないか)、毛ヅヤや皮膚の状態、目ヤニや涙の量、そして何より愛犬が毎日喜んで食べてくれるかをよく観察してあげてください。
この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひあなたの愛犬にとっての「最高のドッグフード」を見つけてあげてくださいね。
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